【“10億円”不正受給】確認電話への答え方 細かく指示か
家族ぐるみで、9億円を超える持続化給付金をだまし取ったとされる事件。捜査関係者によると、指名手配中の谷口光弘容疑者は集めた名義人らに、中小企業庁側から電話で確認があった際の答え方を細かく指示していたことが新たにわかりました。
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インドネシアに向けて出国し、指名手配されている谷口光弘容疑者（47）。十数年来の知人は、数年前に光弘容疑者から誘いを受けたといいます。
光弘容疑者と十数年来の知人
「『いいですよ、石油掘りたいけど一緒に行きましょうよ』と。石油はお断りさせてもらったんですけど」
海外での石油ビジネスに興味を示していたという光弘容疑者は、逮捕された元妻の谷口梨恵容疑者（45）、長男・谷口大祈容疑者（22）、二男（21）と家族ぐるみで1800件近く、約9億6000万円もの持続化給付金の不正受給に関わったとされています。
谷口一家と長年の知り合いだという男性は「光弘容疑者は『月5000万円稼げる』という話を知り合いにしていた」と証言しました。さらに長男の大祈容疑者については、「息子の大祈は『父親(光弘容疑者)が高級車に乗っている。悪いことをしているんだ』ということを同級生に自慢げに話していた」と述べました。
逃亡中の光弘容疑者は、セミナーを開き、申請に必要な名義人を集めていたとみられます。都内の飲食店で働いていた男性は、“持続化給付金の話をもちかけられた”といいます。
勧誘された男性（30代）
「コロナがはやって給付金の話があって、『対象だから、どう？』って言われて。（光弘容疑者と）付き合いの年数も長かったので、信用しきっていた自分がいたんで」
男性は、7～8年前に光弘容疑者と知り合ったといい、持続化給付金の申請が始まった2020年5月頃に光弘容疑者から勧誘を受けたといいます。
──謝礼の話はした？
勧誘された男性（30代）
「確定申告書を出す、ネット申請する…というのをもろもろ手数料とか含めて、『（謝礼として）15％～20％くらいは欲しい』と言われたんですよ」
──最初、(光弘容疑者に)謝礼を支払ったのは、いくら？
勧誘された男性（30代）
「15万円かな、たしか」
持続化給付金制度では、個人事業者には最大100万円が支給されます。
光弘容疑者から｢同じように困った人がいたら、手伝ってあげるから紹介してほしい｣と言われ、男性は10人ほどに声をかけたといいます。
勧誘された男性（30代）
「谷口(光弘容疑者)の方から『紹介した人間に対して(“手数料”を)25％とか30％くらいにして(仲介者が)15万円くらいとればいいんじゃないの』という話があって、どんどん人が増えていった感じ。これが詐欺とか元々わかっていれば、みんなやっていなかったと思うんですけど」
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光弘容疑者らは、申請に使う名義人はセミナーなどで36都道府県から集めていたといいます。また捜査関係者によると、光弘容疑者は集めた名義人らにSNSで次のような指示を出していたことが新たにわかりました。
「『確定申告は自分でしましたか』と聞かれたら、『はい』と答える」
「『自宅が事業所』と答えれば無難」
光弘容疑者は、中小企業庁側から電話で確認があった際の答え方を細かく指示していたというのです。
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捜査関係者によると、光弘容疑者は、申請が却下され始めた直後の2020年10月にインドネシアに向けて出国しました。勧誘された男性が最後に連絡をとれたのも同じ頃までで、その後、連絡がとれなくなったといいます。
勧誘された男性（30代）
「谷口とか仲介者にお金を払って(給付金)100万円がおりたけど、手残り60万円・70万円の人たちもいっぱいいる。返金したくても、満額100万円を返金できない人たちも、くさるほどいるんですよ」
男性は光弘容疑者と連絡がとれないことを長男・大祈容疑者にもメッセージアプリで伝えましたが、「そうなんですか！！ 僕は辞めているので他を当たって下さい」と返信がきたといいます。
男性は、安易に光弘容疑者の話に乗り周りの人に申し訳ないと話し、すでに警視庁に事情を説明しているということです。
警視庁は、光弘容疑者が主導的な立場で不正受給に関与していたとみて、捜査しています。
（2022年6月2日放送「news every.」より）
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