【ウクライナ侵攻】破壊される携帯…ロシア軍の行動記録を消す目的か
ウクライナ・ハルキウ(ハリコフ)で、ロシア軍による“戦争犯罪”を映像に残し続ける女性がいます。生まれ育った街が破壊される様子を撮影することについて、ナタリアさんは「私たちがやっているのは、ロシアを正義のもとに導くこと」と今の気持ちを明かしました。
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17日、多くの民間人の遺体が見つかったキーウ(キエフ)近郊・ブチャに向かいました。ある一家は、ロシア軍によって殺害され、遺体は長期間、野外に放置されていたということです。近所の住民によると、殺害されたのは10歳と12歳の子どもを含む一家6人ということです。
一家6人の遺体を目撃 住民
「彼らは(ロシア軍に)シェルターのドアを壊され、連れ出されて、撃ち殺されました」
住民は「6人の遺体は焼かれ、骨しか残らなかった」と話します。さらに――
一家6人の遺体を目撃 住民
「(ロシア軍が)人が近づけないようにバリケードを設置したので、私たちが遺体を埋葬するまで、およそ25日たっていました」
ブチャ中心部の教会には、市民を埋葬するための集団墓地がありました。
集団墓地に遺体を埋葬 アンドリー・ハラビン司祭
「多くの遺体を埋めるための場所が必要でした。(教会の敷地に)重機で穴を掘り、地元当局が車で遺体を運んできました」
中には、「後ろ手に縛られ、後頭部を撃ち抜かれた遺体もあった」ということです。
ブチャの住民の多くは、「無抵抗の民間人が殺害された」と主張します。ロシア軍が占拠し、拠点にしていたというブチャの住宅には、ロシア軍の弾薬の箱や、庭でたき火をした跡など痕跡が残されていました。
その一方で、ロシア軍による“証拠隠滅”とみられる行動も。男性が見せてくれたのは、破壊された携帯電話でした。動画など、ロシア軍の行動記録を消す目的とみられています。
携帯電話を破壊された住民
「ロシア軍は、携帯を見た瞬間に壊していました。私の携帯も壊されました」
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ロシアによる“戦争犯罪”の証拠を残すため、ウクライナ国内で撮影を続けるナタリア・ズバルさん(57)に18日、話を聞きました。
ナタリア・ズバルさん
「ハルキウにいる私たちは、ロシアの戦争犯罪を記録することにしました」
ナタリアさんは国の機関と連携し、ウクライナ第2の都市・ハルキウで、民間施設への攻撃などロシア軍の“戦争犯罪”を映像に残す活動をしています。今月7日、ナタリアさんは、ハルキウで破壊された建物を撮影していました。映像には、ナタリアさんの「ここでも、屋根が崩れてしまっています」と説明する声も入っていました。
ナタリア・ズバルさん
「記録し始めたのは3月8日です。これまでに、およそ300の破壊された建物などを記録しました」
かつて多くの市民がイベントなどで利用した文化センター。今月2日に撮影された映像には、ロシア軍の攻撃により屋根や壁などが大破した様子が映っていました。
また、子どもたちの声であふれていたはずの学校も、先月17日に撮影された映像では、一部を残して跡形もなく崩れてしまっていました。ナタリアさんは建物の左右にもカメラを向けて、「この部分は完全に破壊されています」と説明していました。
――いまのハルキウの状況は?
ナタリア・ズバルさん
「(きのう)近くでクラスター爆弾の攻撃がありました。一番近いものは私たちから200メートルの場所に落ちました。私たちは地下にいて、どの方向から(爆撃の)音がきているのかわからなかったので、怖かったです」
――ずっと暮らしてきた街が壊された。その様子を撮る気持ちは?
ナタリア・ズバルさん
「もちろん、とても悲しいです。生まれてからずっとハルキウに住んでいるので、私たちがやっているのは、ロシアを正義のもとに導くことです。私たちは映像を使って、世界に伝えていきます」
(2022年4月18日放送「news zero」より)
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