【ウクライナ】治安組織「ロシア軍が毒物を投下」 専門家は
ウクライナ南東部のマリウポリでは、“陥落寸前”と言われるほど厳しい戦況の中、新たな攻撃が行われた可能性も。地元の治安組織「アゾフ連隊」は、「ロシア軍から毒物による攻撃を受けた」と主張しています。化学兵器が使われた可能性など、専門家に聞きました。
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治安組織「アゾフ連隊」は、「ロシア軍がドローンを使って上空から毒物を投下した」と主張し、公開したのは、被害にあったとされる兵士や民間人の映像です。そこには苦しそうにベッドに横たわる人たちが映っていました。
被害にあったとされる女性
「3回攻撃にあって、気を失いました。なんとか助かりました」
被害にあったとされる男性
「爆発音が聞こえて確認しに行ったら、煙のようなものが見えた。ガスマスクをつけたが、とても気分が悪くなって,
息苦しかった」
呼吸困難のほか、血圧の上昇や胸焼け、顔が赤くなるなどの症状が出ているといいます。ただ、毒物の種類は明らかにしておらず具体的な根拠も示していません。
事実だとすれば、どのような毒物を使った可能性があるのか、専門家に聞きました。
軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏
「被害受けた兵士の映像を出してきたが、それを見ても特徴的なものはわからない。化学兵器の神経剤、サリンとかそういったものなら、瞳孔の収縮とか目に異常が出る。呼吸困難だけなら、神経剤の可能性は低いのでは」
黒井氏によると、ロシアは、猛毒の神経剤「ノビチョク」や殺傷能力が高い神経ガスである「サリン」や「VX」などの化学兵器を保有しているとみられています。
軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏
「反体制派の活動家や元情報機関員の亡命者に対して、ノビチョクという軍用の化学兵器でテロをやった前歴がある」
2020年のプーチン政権を批判していた野党指導者・ナワリヌイ氏への「ノビチョク」を使った毒殺未遂。
親ロシア派は否定していますが、黒井氏は、「制圧作戦では化学兵器は有効。たとえば塹壕の中に隠れたり、堅牢な建物の中にいると、爆撃・砲撃で制圧するのが非常に難しい。政治的なタイミングで使用許可が出る可能性がある」と今後、禁止されている化学兵器を使用してくる可能性があると指摘しています。
(2022年4月12日放送『news zero』より)
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