【解説】入学式に“制服届かない”一体何が?受注元の社長「不安を煽ると思って連絡できず」【Nスタ】

【解説】入学式に“制服届かない”一体何が?受注元の社長「不安を煽ると思って連絡できず」【Nスタ】

東京都内の中学校や高校の一部の新入生に制服が届かない、届いてもサイズが違うなど混乱した騒動で、制服の受注元の会社が謝罪しました。入学式を前に、何が起きていたでしょうか。学校側がどのように対応したのかも含め、解説します。

■「制服来ない」「わが子がかわいそう」

ホラン千秋キャスター
「入学式は皆さん準備万端整った状態、晴れやかな気持ちで、新たな学校に向かうというイメージですが、今年はそうもいかない方々が多かったようなんです。入学式までに制服が届かないということで、SNS上には悲痛な声があがっていました。」

SNSの声
「制服来ないな～問い合わせた時は絶対に間に合うよう届けます！って言ってたんだけどな。責任はどこにあるん？」
「修学旅行も中止になったし制服を楽しみにしていたのに・・・我慢するしかない我が子がかわいそすぎる」
「遅れるなら、もう少し早く言ってもらえれば他に対策のしようはあったのに・・・。とても残念」

ホラン千秋キャスター
「こういったつぶやきが相次ぎまして、“入学式前”、“遅れの理由”といったワードがトレンド入りしました。また、ギリギリ届いたという方からもこんな声があがっています」

SNSの声
「何かあったら連絡くださいって、間に合うわけないよ。注文はちゃんと届いたけど、しわしわなんですよ」

■受注元の社長「不安を煽ると思って連絡できず」

ホラン千秋キャスター
「しわだらけの方であったりサイズが違っていたり、入学式前、大変な思いをされた方多かったと思います。なぜこうなってしまったのか。制服の受注元、ムサシノ学生服の田中社長が答えました」

ムサシノ学生服　田中秀篤社長
「晴れの日に制服が間に合わない、“間に合わないかも”という心配、ご迷惑をかけておわび申し上げます」

ホラン千秋キャスター
「このように謝罪し、約1時間半に渡って会見を行ったんです。4月6日の時点でまだ約100人分の制服が届いていないということなんですね。なぜ遅れてしまったのか、皆さんこの理由が知りたいわけなんですが、いくつか理由があるようなんです。

例えば、新型コロナウイルスの影響で感染者が出てしまったり濃厚接触者が出てしまったりということで工場がストップ。他にも、私学の高校無償化の影響で、公立に行くのか私立に行くのか、その選択のタイミングというのが前よりも遅くなってるそうなんです。そのため、どれくらいの数を受注すればいいのか、サイズ、男女比など予測が困難で遅れてしまったと。
他にもメーカーからの仕入れに遅れがあったり、今年、物流倉庫を増設したんだけれども、管理が行き届かなかったりなどして遅れてしまったと。田中社長は「対応が後手後手に回り、こういった事態を引き起こしてしまった」と説明しました。

さらに、なぜ早く連絡してくれなかったのかと、対応できたのにというような指摘に関して田中社長はこのように説明しています。

田中社長
「先にアナウンスしていくべきだったというのは間違いなくあります。そういうことを発信しなければならないことはわかっていたし、でも不安を煽ると、どうなっているんだ、本当にできるのかよと、なくていい中傷で問い合わせが来ることによって、手が止まる、電話が多くなる、それでまた遅れてしまったりということになるのではと思って連絡できなかった」

井上貴博キャスター
「広い意味で言えば、お客さんを相手にする商売、これは私達も同じで他山の石としてやはり素早い情報公開と説明、ここに尽きるのかなという気はします」

獨協大学経済学部　森永卓郎教授
「私、今から37年前に住宅ローンができて、すごい貧乏になっちゃって。生活苦からライター、物書きの仕事をしたんですよ。その時にライターの先輩から1つだけ教えてやる、これだけ守ってれば食いっぱぐれないぞと。それが“親が死んでも締め切り厳守”。それ以来1回も落としたことないんですけれども、やっぱり締め切りに間に合わないと、ものすごい迷惑かかっちゃうんですよ、色んなところに。やっぱり間に合うように手を尽くすべきだった。どうもこれ聞いてると言い訳にしか聞こえないんです」

井上キャスター
「手を尽くした上で、もし仕方ないのだとしたらそこで情報公開をしないと、より傷が深くなると」

森永教授
「やるんだったら早く言わないと駄目です。直前になってから言っても駄目なので」

■制服届かず集合写真など対応は？卒業生から寄贈の申し出も

ホランキャスター
「分かった時点で教えて欲しかったという方が多かったと思います。こういったことを受けて4月7日に入学式の学校はどのような対応を行ったのでしょうか。
東京都教育委員会は、制服が届かなかった場合は、中学校の制服や私服で参加できるよう、都立の学校に呼びかけを行ったそうです。また、入学式で記念に写真を撮ると思うんですが、集合写真は制服が届かない生徒に配慮して、撮影は来週以降に延期する高校もあったということなんです。1人だけ制服が違ってしまったりするとちょっと寂しいですもんね。

他にも、国分寺市立第一中学校ではこんな動きがあったようです。このニュースを受けて、4月6日から4月7日にかけて、卒業生など10人ほどから、私達の制服使ってください、という制服を寄贈したいという申し出があったそうなんです。第一中学校の副校長は、卒業生の後輩が困っているから助けたいという温かい気持ち本当に有難いと話していました。

第一中学校では7日に入学式を迎え、実際には新入生全員に前日までに制服が無事届いたということです。ですが、この先輩方の気持ちを大切にしたいということで、寄贈された制服は学校PTAが今後リサイクル制服用として、実際に必要になる生徒さんが出てくる場合がありますので、学校で綺麗に保管するということです」

井上キャスター
「リサイクルとして保管する、素敵な取り組みだと思います」

森永教授
「そうですね。何らかの理由で突然破けちゃったりしたときに使えますよね」
（07日19:32）

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