【ポケモンGO】ナイアンがたまごっち、ファービーを超えると豪語した新IP「ペリドット」スタートダッシュ失敗
その生みの親であるナイアンティックが送り出した新たな拡張現実(AR)ゲームは、二匹目のどじょうにならず、メタバースの巨大な期待が裏切られる可能性を浮き彫りにしたのかもしれない。
ナイアンティックは今月9日、仮想ペットを育てるARモバイルゲーム「ペリドット」をローンチ。デジタルの世界が現実世界に溶け込む「現実世界のメタバース」だと同社はうたっている。
ユーザーは自分だけの新しいデジタルペット「ドット」の卵をかえし、名前を付ける。スマホのカメラレンズを通した現実世界、例えば裏庭の草むらなどにそのペットが現れて走り回ったり、テニスボールを追いかけたりし、ユーザーはおやつを上げたり遊んだりしながら育てていく。
ペットのかわいらしさと魅惑的なビジュアルにもかかわらず、「ペリドット」は今のところ、華々しくデビューしたとは言いがたい。
アップストアでは厳しいレビューが続き、調査会社センサータワーによれば、9日のローンチから13日までのダウンロードは67万5000件。レビューの中にはARに一貫性がないとの意見や、スマートフォンのバッテリーがすぐに消費されてしまうとの苦情もある。ドットの飼育に関する課金についての批判もある。グーグルのプレイストアでは5段階評価の3に甘んじている。
ニューヨーク大学のスターン経営大学院で教えるジュースト・ヴァン・ドリュネン氏は「生ぬるい反応と少ないダウンロード件数は、仮想と現実の融合に対する熱気を失わせるものだ」と述べた。
ナイアンティックはこうした懸念を踏まえた上で、ペリドットとARゲーム人気に対する自信を崩していない。「ペリドットは世界で初めて完全にARでプレーするモバイルゲームであり、まだ始まったばかりだ」と同社広報担当のマーク・ヴァン・ロンメル氏は述べた。
「当初の需要はわれわれの期待を上回ったが、ペリドットが一夜にして成功するとは考えていない。むしろARと実験的なゲームデザインの可能性を見せつける長期プロジェクトと捉えている」と話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-19/RUWU6NT0G1KW01