自分の死後「墓」はどうなるのか…神戸市の「樹林葬」に応募殺到 墓じまいの増加で”墓石の墓”も
自分が死んだら、墓はどうなるのか。誰が管理するのだろうか…。そのような思いから、今までとは違った形の「墓」を選ぶ人が増えています。「墓じまい」の増加で、「墓石の墓」といえるような場所も。悩ましい「墓」の問題を考えます。
<中谷しのぶキャスター>
まず、神戸市で応募が殺到した「樹林葬」について、詳しく見ていきます。年間80人の募集に対し、今年度だけで1038人の方の応募がありました。このため、神戸市在住など要件を満たせば1038人を受け入れることに、方針を変更したということです。
具体的に見ていきますと、森林をA区画、B区画、C区画に区画分けをします。ここに墓標は設けません。粉骨を土と混ぜて直接埋葬する形です。ですので、献花やお供え、線香などはあげることはできません。管理期間が50年と決められていまして、その後は自然森林になる予定で、そうなれば、看板なども撤去する予定だということです。費用は1体15万円となっています。
<高岡達之特別解説委員>
神戸在住の方はこの場所を聞いて、あそこなら納得という声があるかと思います。「樹林葬」の場所の近くには神戸市で最大級の祭場があります。それから周辺に市内最大規模のお墓もあります。ですから、周辺の住民の皆さんの理解が得やすいというのも、この場所に設けられた理由ではないかと思います。
<中谷しのぶキャスター>
「樹林葬」は、「樹木葬」のひとつなんですが、この「樹木葬」最近、人気があります。一本の木に対して一人という「個別型」というタイプですとか、一本の木に対して複数人を個別に埋葬する「集合型」。そして一本の木に対して合同で「合祀型」というものがあります。費用はおおむね30万円からで、管理などに関しては掃除など管理の必要はなく継承が不要だということで人気があります。
一方、一般のお墓では、いわゆる墓石と区画合わせて、おおむね140万円からとなっています。他に管理費が必要な場合もあり、基本的には掃除や、継承が必要なものになります。
グラフで見ていただきたいんですが、赤が樹木葬です。水色が一般のお墓。濃い青が納骨堂なんですけれども、2020年あたりから樹木葬の方が突出して高くなっています。
一方で、樹木葬を巡ってはトラブルもあるんです。木が枯れてしまったり、大雨で倒れてしまったり、害虫被害が出てしまうといったトラブルや、「いったんは樹木葬にしたんだけれども、やっぱり普通のお墓がいい」と考えても、土と一緒に埋葬してしまっていますので、お墓が移せないこともあるんですね。
<高岡達之特別解説委員>
海に戻すとか、ご自分の敷地内に埋めるといったことは無理なんだろうか…というようなご相談をされる方もいるんですが、ご自分のお家の敷地内というのは、法律違反になります。きちんと我が国には指定された墓地があり、「決められているところに埋葬する」という法律があります。私の亡くなった母親も好きな山があってそこは見える道端に埋めてくれと言いますので、警察に聞いたら「死体遺棄罪になりますよ」と言われました。そういったことも、お墓を考えになる方は、よくご理解をいただきたいところです。今回は、神戸市という、ちゃんと行政が区画を指定するということも人気の背景にあるわけですが、とはいえ、やっぱり場所を選びたいという気持ちはありますよね。
<中谷しのぶキャスター>
さまざまな埋葬の形が増えてきていますが、その分、「墓じまい」などの改葬件数も、増加していまして、2014年から10年で倍増ということになります。2024年度には過去最多を記録しました。一方で、実はこんな問題も起きているんです。
こちらご覧ください。三重県にあるお寺の敷地なんですけれども、並んでいるのはすべて墓石です。この場所は墓じまいされた墓石などが運び込まれる、いわば”墓の墓”となっています。映像は3年前のものなんですけれども、この時はまだ空きがあったそうなんですが、きょうお話を伺いますと現在は2万本の墓石でいっぱいになってしまったということなんです。墓じまいの増加に伴って墓石を供養してほしいという依頼も年々増加していて、去年運ばれた墓石は約3000本となったということです。このペースで増えると、墓石を置く場所が無くなってしまうということなんです。
いろんな不安の声も届いています。
60代の男性「墓が山間部にあるために草むしりなど管理が年々大変」
50代の女性「いつまで墓掘りをしなければいけないのか、子供の代には残しておきたくない」
30代の男性「独り身なので自分が亡くなった後の墓の管理が不安」
50代の女性「お墓が予定よりかなり高く高かった。さらに墓石が粗悪など業者がいい加減になった」
60代の女性「全く知らない先祖の墓石に年会費を払っている」
30代の男性「墓じまいをして集団の墓に祖父を入れたが、祖母と母で価値観が違って、今ももめている」
「自分や家族の墓について相談できていますか?」という質問に「はい」が4割ほど、「いいえ」が6割ほどということで、一度ご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
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