“餃子の王将”社長射殺事件 初公判 「私は決して犯人ではありません。決して」暴力団幹部が無罪主張
12年前、「餃子の王将」を展開する会社の社長を殺害した罪などに問われている暴力団幹部の男の裁判が始まり、男は「私は決して犯人ではありません」と無罪を主張しました。裁判は厳戒態勢がとられています。
(阿部頼我 記者)
裁判は、午後1時半ごろに始まり、約2時間が経過した午後3時半ごろに終了しました。
■初公判 法廷一時騒然 “異例”の対応
殺人などの罪に問われている特定危険指定暴力団「工藤会」系の幹部・田中幸男被告(59)は、紺色のスーツと白いシャツに身を包み、軽い会釈をしながら法廷に現れると、その後もハキハキとした様子が非常に印象的でした。
ただ、冒頭で認否について問われると「私は決して犯人ではありません。『決して』がつきます。 任侠道を志す者として濡れ衣の1つや2つ、甘んじて受け入れますが、(今回の事件は)到底承服はできません」と話しました。
その直後、警察官の隣にいた遺族とみられる女性が、「何が無罪やねん。工藤会がなんやねん、うちの大切なお父ちゃんを殺したんや」などと叫び、急きょ休廷の措置がとられるなど、法廷内は一時騒然としました。
(Q: 裁判所内は厳戒態勢が取られているということですが?)
工藤会は暴力団の中でも“武闘派”として知られていて、これまで一般人を巻き込むような事件も起こしてきました。
こうした事情を受けてか、法廷内では、傍聴席と被告らの席の間に透明で“防弾仕様”のついたてが立てられています。また、殺人事件は通常、裁判員裁判の対象ですが、今回は、裁判官のみによる審理となっています。
工藤会をめぐっては、過去に死刑判決を受けた組織のトップが裁判長に対して、「生涯後悔するよ」と発言したこともあります。今回は、報復の恐れなど様々な事情を考慮して、例外的な措置がとられたとみられています。
■「餃子の王将」社長射殺 暴力団幹部初公判
「田中被告を乗せたとみられる車がいま京都地裁に入ります」
「餃子の王将」を運営する会社社長が射殺された事件から12年が経ち、始まった26日の裁判。
殺人などの罪に問われているのは、福岡県を拠点とする特定危険指定暴力団「工藤会」系の組幹部である田中幸雄被告です。
田中幸雄被告
「私は決して犯人ではありません。到底承服できない」
■これまでの経緯
2013年12月、京都市山科区にある「王将フードサービス」本社前の駐車場で、当時の社長だった大東隆行さんが何者かに胸や腹を拳銃で4発撃たれ殺害されました。当時、大東さんは、日課の掃除のため誰よりも早く出勤。目撃されるリスクが低い早朝を狙った、用意周到な犯行だったとみられています。
事件から半年後には、逃走に使われたとみられる盗難車両のバイクが、現場から2キロ先で見つかり―。
ハンドルからは、けん銃を撃った際に残る「硝煙反応」も確認されたほか、このバイクを盗むために使われたとみられる車が九州で見つかったことも分かりました。さらに―。
「現場近くにあった遺留品のDNAの型が、九州地方の暴力団関係者のものと一致したことが新たに分かりました」
現場周辺で見つかったタバコの吸い殻から検出されたDNAの型が、田中被告のものと一致。
「事件から約9年が経ち、逮捕された容疑者を乗せた車が、いま山科警察署に到着しました」
事件から9年後に田中被告が逮捕されました。ただ、目撃証言など犯行を裏付ける直接的な証拠はなく、田中被告は逮捕後から一貫して、事件については黙秘を続けていました。
「餃子1日100万個」「食は王将にあり」などのうたい文句で知られる「餃子の王将」。
大東隆行 社長(2009年当時)
「とりあえず食べてもらわなあかんから、餃子を。5人前無料にしてみたり、10人前無料にしてみたり、そうすることによってどんどんお客さんが来てくれた」
2000年に4代目社長に就任した大東さんは、逆風が続く外食産業の中、全国500店舗を超える業界トップの中華レストランチェーンに育てあげました。
大東隆行 社長(2010年当時)
「創業当時からの理念というか、“安くて、うまい、早い”。それにどんどん磨きをかける。自分の足元を強くする。“ライバルは王将や”と思う」
一方で、会社をめぐっては、創業家の知人男性との間で、高額で買い取った不動産物件を極端な安値で売却するなど260億円にものぼる不適切な取引が発覚し、大東さんは問題の解決に取り組みます。
2013年11月には、この取引に関する社内調査の報告書が取締役会にも提出されました。
その1か月後に、大東さんは腹や胸を撃たれ射殺されました。
ただ、第三者委員会の報告書では、「反社会的勢力との関係は確認されなかった」と結論付けられ、事件との関連性は明らかになっていません。
大東さんと田中被告の接点、そして犯行動機にどう言及されるかが注目される裁判。
■暴力団幹部「私は決して犯人ではありません」
冒頭、田中被告は法廷で―。
田中幸雄 被告
「私は決して犯人ではありません。『決して』がつきます。任侠道を志す者として濡れ衣の1つや2つ、甘んじて受け入れますが、到底承服できません」
その後、遺族とみられる女性の声が響き渡りました。
遺族とみられる女性
「何が無罪やねん。うちの大切なお父ちゃんを殺したんや!」
裁判は、急きょ休廷になるなど一時、騒然としました。
その後、検察側は、事件当時、田中被告が組員に「旅行に行くので携帯電話がつながらない」という趣旨の話や、事件の報道の後、知人に「警戒を解いてはならない。息をひそめて行動するべき」と連絡していたと明かし、吸い殻のDNAなどを踏まえ、「田中被告が実行犯である」と指摘。
一方の弁護側は、「被告は犯行当時、福岡県内にいた可能性がある」とし、「検察側は間接事実をもとに立証しようとしているが、 それは決定打にはならない」と主張しました。
双方の主張が真っ向から対立する中、事件の真相はどこまで明らかになるのでしょうか。裁判は11回の審理を経て、判決は来年10月16日に言い渡される予定です。
▼特集動画や深掘り解説、最新ニュースを毎日配信 チャンネル登録はこちら
https://www.youtube.com/channel/UCv7_krlrre3GQi79d4guxHQ
▼読売テレビ報道局のSNS
TikTok https://ift.tt/7ab9Tg6
X(旧Twitter)https://twitter.com/news_ytv
▼かんさい情報ネットten.
Facebook https://ift.tt/ILTidCD
Instagram https://ift.tt/YxUFI3b
X(旧Twitter)https://twitter.com/ytvnewsten
webサイト https://ift.tt/3cJH1Dq
▼読売テレビニュース
https://ift.tt/2Jo6qSK
▼情報ライブ ミヤネ屋
https://ift.tt/7NXpq8m
▼ニュースジグザグ
X(旧Twitter)https://x.com/ytvzigzag
webサイト https://ift.tt/kOPEYIe
▼情報提供はこちら「投稿ボックス」
https://ift.tt/oMGLgSp



コメントを書く