【パリ五輪】「環境に配慮」した大会、現実は？　ベビーカーの移動にも一苦労　花の都で見た課題

【パリ五輪】「環境に配慮」した大会、現実は？　ベビーカーの移動にも一苦労　花の都で見た課題

　連日、熱戦が続くパリ五輪。現地と中継を繋ぎます。

（取材報告：足立 夏保キャスター)
　パリにありますチュイルリー公園からお伝えします。私の後ろに見えていますのはルーブル美術館です。あの有名なピラミッドも見えています。

　今の時間も、多くの方が散歩をされたりランニングをされているんですが、エッフェル塔も綺麗に見えています。まさにパリを代表する観光名所となっているわけなんですが、この白い球体覚えていらっしゃいますか。

　開会式で話題となった気球の形をした聖火台なんです。今一般公開されていまして本当に多くの方が写真を撮られているんですが、夜は10時頃から深夜2時頃まで、この気球が空に浮かび上がるんです。

　そしてよく見ていただきますと、下の方にオレンジ色の炎が揺らめいているのが分かります。実はこれミストにLEDのライトを当てて炎を演出しているんです。

　今回のオリンピックは、環境に配慮したオリンピックを目指しているので、史上初めて燃料を使わない炎というのが使用されたわけなんです。

（Q、1週間以上取材を続けていますけれども、取材を通してどんなことを感じましたか？）

　本当にこういった古き良き街並みだからこその課題を感じました。
まずセーヌ川なんですが、開会式の前から懸念されていた水質問題ですね。

　トライアスロンの男子の試合は延期されてしまったんですが、後日無事男女同日での開催ができました。きょうもセーヌ川の様子を見てきたんですが、やはり深い緑色と黄土色が混ざったような色で、1日の夜も突然大雨が降りまして水量も増えているように感じました。

　実際にちょっとすくってきたんですけれども、こんな感じです。ペットボトルに入っていると、本当にとても綺麗な飲めるような水に見えるんですけれども、実際に白いコップに入れてみますと、結構黄色っぽいんですよね。下の方には、茶色いものが沈殿しているのも分かります。嗅いでみますと、臭いは全くと言っていいほどないんですよね。

　今回このセーヌ川なんですけれども、101年間遊泳が禁止されていたんですが、フランス政府はおよそ2300億円をかけて貯水施設を設置しました。生活用水が流れ込んでしまうのを防ぐために設置されたんですが、ある程度は目的を果たしたんですが、結局は天候に左右されてしまうということなんですよね。

　私たち今回取材する中でやはり交通規制がオリンピックで非常に厳しくなっていて地下鉄を使うことも多かったんですね。ただ主要の駅以外はほとんどが階段となっているんです。

　一度観光で訪れているベビーカーをされているお母さんにお会いしたんですが、ベビーカーが改札が狭すぎて通ることができず、みんなでベビーカーを持ち上げて運ぶということもありました。なかなか観光客にとっては難しいなと感じます。

　そして私たちが宿泊しているホテルなんですけれども、まさかのエレベーターを降りると階段になっていたんですよ。空港から到着して大きな荷物を持っていたのでこれなかなかハードでしたね。
　
　本当に、こう歩いているだけでもうっとりしてしまうような街並みが広がっているんです。ただその一方で、今回の持続可能で環境に配慮したオリンピックというのの実現というのは、なかなか難しいと課題も感じました。

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