“地震5分後”に撮影 津波の脅威…発生5日目 いまだ見えぬ被害の全容【報道ステーション】(2024年1月5日)

“地震5分後”に撮影 津波の脅威…発生5日目 いまだ見えぬ被害の全容【報道ステーション】(2024年1月5日)

“地震5分後”に撮影 津波の脅威…発生5日目 いまだ見えぬ被害の全容【報道ステーション】(2024年1月5日)

地震発生から5日目を迎えても、いまだ被害の全容が見えません。

元日の珠洲市を襲った津波。地震発生から、わずか5分後の映像です。住宅街を駆けめぐる津波の勢いは、車を浮かせて、押し流すほどです。

津波の被害は、どれほどのものだったのか。
能登半島の大動脈、国道249号。震度7の地震の震源地となった珠洲市に入ると、景色が変わりました。道路には亀裂が走り陥没。う回した道路の周りも崩れた建物ばかりです。

地震発生直後、津波に襲われた珠洲市。しかし、その時点から潮位計のデータが届かなくなっていました。上空からの画像を気象庁が分析したところ、海だった観測地点周辺は、地面が露わに。地盤が隆起したことで、潮位計が海面より高くなり、観測できなくなったとみられます。

日本地理学会によりますと、浸水した範囲は約80ヘクタール。宝立町鵜飼では、標高3メートルほどまで津波が到達していたといいます。
住民:「川の水がもう引いてたんです。濁流みたいに潮が引く。津波の前兆、それを見たので、車を捨てていきました」

地震で崩れた道路が行く手を阻みます。やっと通じた県道の先、震源に近い展望台は、支援物資の集積場所になっていました。

家族で帰省していたところ、被災した男性。
帰省中に被災・田中憲士さん(44):「同じような人らがたくさんいるんで、備蓄も、どこも元々、住んでる人の分しか備蓄してなかったので、今回、帰省客が多いんで、足りていないんですって、どこも」

両手には、たくさんのスマホが。避難しているほかの人のスマホも預かって来たそうです。
帰省中に被災・田中憲士さん(44):「どんな情報が入っているか知りたいので、預かって。わかる範囲で、誰が無事か、あの人どうなったか確認しに。(Q.歩いて)歩いて。(Q.何時間かかった)2時間くらいはかかりますね。(Q.これからが大変ですよね)そうですよね。いろいろ情報が入って来ていて、希望が見えてきたので、情報がないというのが、水とか食料の次にきつかったので。これが入ってきて、もう少し頑張ろうという気持ちが出てきたので、なんとか金沢まで戻れるように頑張っていきたい」

輪島市では、道路の状況を確認するため、県の土木事務所が、車を走らせました。でも、その直後、引き返してきます。
土木事務所の職員:「この先、100メートルほど行ったところで、落石になっていて、全部、ふさいでいる状況。(Q.地上からの救出は難しい状況か)わかりませんね。あっちもこっちも寸断されているので」

輪島市で、これまでに死亡が確認されたのは55人。安否のわからない人は121人と、今回の地震で、最も多くの人的被害が出ています。

1300年続いてきたとされる輪島の朝市は、もう跡形もありません。国土地理院の分析によりますと、4万8000平方メートルが焼けたと推定されることがわかりました。東京ドームを上回るほどの広さです。

なぜ、これほどまで被害が広がったのか。出火直後、動画を撮影した住民に話を聞きました。
動画撮影者・坂上公平さん(74):「誰1人もいないんだよ。みんな逃げたんですよね。大津波から一目散に、車を置いて逃げた。火がついてボンボン、怖くて近づけないくらい火柱が立つし、(車が)燃えると隣に移るし」

消火活動が始まっても一筋縄ではいきませんでした。
動画撮影者・坂上公平さん(74):「(地震で)消火栓が、全部、止まった。『川の水から取ったら?そこが川だから』と言ったら、『川の水が引いて取れないんだ』と。おそらく津波で引いたのでは。『海の水があるから、そこから取ったら?』と言ったら『怖くて行けない』と」

生存率が下がるとされる72時間を超えても、助け出される人はいます。ただ…
救助された女性の長男:「母親は救助されたんですけど。弟が母親をかばっていて、それで母親は大丈夫だったみたい。母親が助けられたとき、かなり低体温だったんだけど、弟が側にいて、その体温で、低体温が防げたのでは」

男性の弟は、母親に覆いかぶさるようにして亡くなっていたそうです。

400人が身を寄せる避難所では、ようやく仮設トイレが設置されました。
避難した住民:「避難所の中にも簡易トイレはありますけど、もう詰まっちゃって、あふれる状態ですから。排泄は、一番、みんな困っていると思います」

事情があって避難所に行けない人たちもいます。
輪島市にある施設では、ケアが必要な高齢者や障害者10人が避難生活を送っています。
社会福祉法人『弘和会』・藤沢美春部長:「認知症や一般の方と一緒にいれない方が、行政の方から依頼があって、こちらの方に来ている方も何名かいる。障害のある方は、災害があったときに一般の避難所には行けない。なぜなら、通常と違うことに混乱し、障害特性によってはパニックになったり、避難所で大声上げたりとか、皆さんと一緒にいられない」

部屋を分けて、地域の人たちも受け入れています。被災した職員も多く、人手が足りません。
社会福祉法人『弘和会』・藤沢美春部長:「普段の数に比べたら10分の1くらいしか来ていない。職員が5日間、着の身着のままで仕事しているので。職員も被災して、家が潰れた方が何人もいる。5日目で、みなさん先が見えない。職員も、きょう1人倒れたので限界かなと」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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