「労働者派遣をするのに一番いい国がロシア」脱北者が証言「北朝鮮はロシアに労働者を再び派遣させたい思惑がある」|TBS NEWS DIG
ミサイル開発を加速させる北朝鮮。軍事面でのロシアとの急接近が指摘されています。一方、重要な「外貨獲得」に向け、北朝鮮には「ロシアに労働者を再び派遣させたい思惑がある」と、ロシアで勤務経験のある脱北者が証言しました。
北朝鮮が公開した新型ICBM「火星18型」の発射訓練の様子。先月には、偵察衛星の打ち上げにも成功した北朝鮮。これに先立ち、ロシアを訪れた金総書記は軍事面での接近をアピールしていますが、韓国の情報機関は衛星打ち上げにもロシアの支援があったと分析しています。
一方、JNNの取材にロシアで長年暮らしていたという脱北者は、北朝鮮の「別の思惑」をこう指摘します。
ロシアで勤務していた脱北者
「金正恩総書記は、ロシアへの北朝鮮の労働者派遣で悩んでいると聞いています。だからロシアに行ったのではないかと思います」
ロシアに拠点を置く北朝鮮系建設会社に勤めていたという男性が指摘するのは、経済難の中で重要な外貨の獲得。
ロシアで勤務していた脱北者
「北朝鮮が多くの外貨を手に入れる本当に良い方法が、まさに海外での建設業で、労働者派遣をするのに一番いい国がロシアです」
大使館経由で本国からの指示がたびたび下りてきたそうですが、資金の一部がミサイル開発に使われている可能性が指摘され、国連制裁の対象となると、ロシアで働く労働者も最盛期の10分の1にまで激減したと証言。苦しい状況での金総書記のロシア訪問だったというわけです。
一方、消息筋によると、9月の首脳会談を通じ、ロシアと北朝鮮は水面下で建設作業員のロシア派遣で合意。ロシアが一方的に併合したウクライナのドネツク州などに派遣されるとの情報もあるということですが、専門家は両者の思惑について、こう指摘します。
慶應義塾大学 礒崎敦仁 教授
「北朝鮮はドネツク・ルハンシクをいずれも国家承認しているので、できれば労働者派遣をそこにもしたいという思いは当然ある。労働者が不足しているということであれば、ロシア側の思惑とも一致することになる」
また、中国を後ろ盾とする北朝鮮の外交戦略という面も…
慶應義塾大学 礒崎敦仁 教授
「(中国)1か国に依拠せずに、ロシアともリスクヘッジの形で協力しながら独自路線を歩みたい。ロシアとの協力深化というのは、北朝鮮にとって非常に重要になってきたということです」
コロナ禍で3年半にわたり事実上、国境を封鎖し続けた北朝鮮。悪化した経済状況について、脱北者の男性は当時、ロシアで聞いたという首都・平壌の様子を明かしました。
ロシアで勤務していた脱北者
「平壌に物乞いする子どもたちが現れたと聞きました。これは経済の危機を知らせるシグナルなんです。餓死者もいたそうです」
そんな中でも、ミサイル開発に突き進む金総書記については…
ロシアで勤務していた脱北者
「軍事にお金を使う一方、国民を飢え死にさせる。それは金正恩政権が国民に対して関心がないことを示している」
「北朝鮮に戻り、また万歳を叫ぶのは耐えられない」。男性は韓国で北朝鮮の実情を憂いています。
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