人出増加で“ゴミ問題”浮上…外国人観光客でにぎわう大阪 万博開幕まで500日切る(2023年12月7日)
大阪・関西万博の開幕まで500日を切るなか、外国人観光客でにぎわいを見せているのが大阪。ただ、人が増えたことによって、“ある問題”が浮上している。
■インバウンド需要が急増 外国人観光客に人気
大阪府 吉村洋文知事：「世界各国から『ミャクミャクJET』に乗って、大阪・関西万博に来ていただいて、一緒に盛り上げていきたいと思います」
先月28日にお披露目されたのは、2025年大阪・関西万博の開催を記念してラッピングされた「ミャクミャクJET」だ。
万博を前に、日本ではインバウンド需要が急増。10月の訪日外国人客数が推計251万6500人と発表され、初めてコロナ禍前の水準を超える数となっている。
日本政府観光局の調査によると、コロナ禍前に外国人観光客の間で、東京を上回る人気を誇っていた場所が、大阪だ。
フィリピンから来た観光客：「8回目よ。東京にも京都にも行ったけど、大阪が特に気に入っているの」
外国人観光客を惹きつけてやまない大阪。しかし、多くの観光客が訪れたことで、“ある問題”が深刻化しているという。
■観光客が増え…「ゴミのポイ捨て」問題
インバウンド需要が回復する日本で、外国人観光客に圧倒的な人気を誇るのが大阪だ。
花月堂の店員：「（客の）4人に3人は外国人ですね。ちょうちんでも買って帰られるし、のれんも。のれんですと、ここらの日本人ですと好まないような」
森本白衣の店主：「外国の方にも人気あります。よく知ってはります。今年が阪神が優勝とか」
特に道頓堀周辺は、食べ歩きしながら観光できるスポットとして外国人観光客に人気があり、周辺の店舗も売り上げが軒並み好調だという。
フランスから来た夫婦：「タコヤキ」「とてもおいしいです」
イタリアからの観光客：「私も日本食全体が好きだけど、お好み焼きが特に気に入りました」
しかし、観光客が増えたことで、「ゴミのポイ捨て」問題も起きている。
■日本で困ったことの1位は「ゴミ箱の少なさ」
ゴミのポイ捨てが増えている背景にあるのが、ゴミ箱の少なさだ。
オーストラリアからの観光客：「捨てる所が見つからなくて」「1つも見つからなかったです」
フランスから来た夫婦：「ゴミ箱が少ないから、ゴミ箱が見つかるまでゴミを持ち歩いています」「バッグに入っています」
コロナ禍前の2019年の観光庁の調査によると、外国人観光客が日本で困ったことの1位は、ゴミ箱の少なさだったという。
ゴミ箱を置けば良いのではとも思うが、近隣の飲食店からは、ゴミ箱の設置に反対する声が上がっている。
飲食店スタッフ：「昔は（ゴミ箱を）表に出していたら、紙おむつまで捨てて行きはるからね」「（Q.ゴミ箱を外に出そうと思わない？）そんな親切をする必要はないと思います」
ゴミ問題に詳しい大阪公立大学の水谷聡准教授は、無暗にゴミ箱を設置すると、かえって問題を大きくしてしまう可能性があると話す。
水谷准教授：「ゴミ箱が少ないなかで、ゴミ箱が設置されてしまうと、ゴミが集まってくる。ゴミがゴミを呼ぶという状況で。仮にそこがあふれていても、ゴミを捨てていい場所なんだからということで、ゴミを捨ててしまう」
ゴミ箱があふれかえっていると、利用者に「ここに捨ててもいい」という心理が働き、余計にゴミを招いてしまうという。
大阪市でも、防犯上の問題や街の美観を損なう原因になることなどを理由に、ゴミ箱を原則設置していない状況にある。
■「スマートごみ箱」導入 約4割のポイ捨てゴミ減
そこで、道頓堀商店会では、新たなゴミ対策に打って出た。
道頓堀商店会 上山勝也会長：「IOTという新しいゴミ箱を設置しました。道頓堀に10基設置し、運用を始めています」
それが先月16日に導入した「スマートごみ箱」だ。一定量のゴミがたまるとセンサーが感知し、自動で圧縮する仕組みになっている。
容量は、通常のゴミ箱のおよそ5倍から6倍。設置前と比較して、4割ほどのポイ捨てゴミが減ったという。
また、地元の企業などもゴミのポイ捨てを防ぐための取り組みを行なっている。
清掃活動の参加者：「もっと汚かった記憶だったんですけど。やっぱり毎回毎回、清掃されているのがよく分かります」
この活動には、街の美化だけではなく、ゴミを拾う姿を見せることで、ポイ捨てを防ごうと中長期的な狙いがあるという。
（「大下容子ワイド！スクランブル」2023年12月4日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
