#shorts ハワイに日本人女性“入国拒否”急増…“海外出稼ぎ”増加 業者を直撃
観光目的でハワイを訪れた若い日本人女性が入国を拒否され、強制帰国させられるケースが相次いでいます。
番組が取材を進めると、日本人女性の「海外出稼ぎ」をサポートする業者の存在が浮上。直撃取材しました。
■空港の入国審査で…思わぬ事態に
インフルエンサー 大阪市在住の女性(32):「『観光で来た』と何回も言っているのに、『仕事で来たんだろ』ととらえられてしまって。『あなたESTA(電子渡航認証システム)だけでは、ハワイに入れません』って言われて、入国拒否になってしまって。日本に強制的に帰らされた」
今年9月に番組が伝えた、インフルエンサーの女性がハワイで入国拒否にあった問題。ハワイ旅行を楽しむ予定でしたが、到着後の空港の入国審査で、思わぬ事態に遭遇します。
インフルエンサー 大阪市在住の女性:「英語で質問されたんですけど、何を言っているのか分からなくて。とりあえずホテル名とかを言ったが、怪しいとなって、別室に連れていかれてしまって。『何で1人で来たのか』とか、『職業は何なんですか』とか。『服が多いことがすごく怪しい』と言われてしまって。『写真をいっぱい撮るから多いんだよ』と説明したんですけど、それも何か怪しいし、何か仕事するんじゃないかと疑われて」
現地警察官の質問攻めに合い、27時間ほど拘束されたという女性。結局、入国を拒否され、強制帰国させられました。
女性の入国拒否の背景には、何があるのでしょうか?
■入国拒否を受けた…専門家「相談は非常に多い」
専門家は、次のように話します。
アメリカのビザに詳しい 佐藤智代行政書士:「アメリカに出稼ぎに行く女性が、圧倒的に増えています。アメリカ移民局も目をつけていて、警戒はかなりしています。ハワイだけではなくて、ロサンゼルス、ラスベガス、ニューヨーク。疑われて入国拒否を受けたという相談は非常に多いですね」
高い報酬を目当てに海外に出稼ぎに行くアジア人女性が急増していることから、アメリカの入国審査が厳格になりました。
その影響で、観光目的でハワイなどを訪れた日本人女性までもが入国を拒否され、強制帰国させられるケースが増えているというのです。
■米国で…アジア系の高級売春ネットワーク摘発
「海外出稼ぎ」の問題は、先週アメリカでも大きく取り上げられました。
マサチューセッツ州連邦検察当局が、アジア系の高級売春ネットワークを摘発したと、アメリカのテレビ局が一斉に報道しました。
当局によると、そこで働くほとんどがアジア系の女性で、顧客は政治家、医者、軍人など数百人に及び、1時間で最高600ドル、日本円でおよそ9万円が支払われていたといいます。
インフルエンサー 大阪市の女性:「指紋、唾液、写真を撮られて、犯罪者みたいな扱いされてしまって。もう完全に売春目的としか思われていなかった」
専門家によりますと、一度アメリカで入国拒否されると、10年間は入国できない恐れがあるといいます。
■“あわや強制帰国”の女性を救った「名刺」
番組は観光のために訪れたハワイで、“あわや強制帰国”の憂き目にあった女性に話を聞きました。
ハワイで別室送り 30代女性:「ちょっとでも何かあらを探すというか。嘘をついていないかというのを、すごい追及してくるという感じで。同じ質問を何回もされます」
30代の女性も入国の際に突如止められ、別室へ。そこでおよそ3時間にわたって質問攻めにあったといいます。
女性:「別室の様子は薄暗い、ちょっと怖い尋問室みたいな雰囲気の所。まずは『何しに来たのか?』。あとは『職業と何日滞在するのか?』。あとはもう、ひたすら本当のことを話しているんですが、もう怪しまれて『本当のことを言え』って言われている感じ」
その後、荷物を調べられた際に出てきたのが、ハワイに住む友人の名刺。この友人が「女性の話が本当である」ことを証言してくれたため、ようやく解放され、入国できました。
女性:「(Q.もし名刺がなかったら?)(名刺が)なかったら100%、そのまま強制送還されていたと思うので。本当にぞわっとしますね」
■“海外出稼ぎエージェント”を取材
観光旅行者にまで影響を及ぼしている若い女性の“海外出稼ぎ”。その裏で暗躍しているのが「エージェント」の存在です。
SNSには「キャバ嬢さん、モデルさん、容姿端麗の方、特に稼げます。報酬目安は4週間で400万円から、宿泊はプール付きの別荘です」という募集がありました。
「海外出稼ぎ」「爆稼ぎ」などのワードとともに、破格の報酬がうたわれています。番組は、エージェントの1人を取材。海外売春出稼ぎの実態に迫りました。
海外出稼ぎエージェント:「(Q.どうして『海外出稼ぎ』が増えてきた?)円安なので、圧倒的に海外の方が、日本の倍以上を稼げてしまうので。日本で働くのが、バカバカしくなる子たちもいると思う」
海外売春出稼ぎを希望する日本人女性をSNSで募り、場所や期間など希望に合う海外の斡旋(あっせん)業者と、その女性らをつなぐ仕事をしているというエージェントの男性。女性らの報酬や住まい、渡航費などを交渉し、現地でのトラブル対応も請け負うといいます。
海外出稼ぎエージェント:「(女性は)実際に、平均1日20万前後は安定して稼げる。日本だと、だいたい5万円~8万円、良くて10万円ぐらいが相場だと思う。だいたい倍以上は稼げるかなという感じ」
チップも含めると、一月に600万円以上。中には1000万円以上稼ぐ女性もいるといいます。
月に10人~15人ほどの女性を海外に斡旋し、業者から手数料を受け取っているという男性。斡旋先はアメリカやオーストラリア、韓国などが多いということです。
■男性が斡旋した中にも…2組が「入国拒否」
そうしたなかで、「入国拒否」は1年ぐらい前から急増したといいます。
海外出稼ぎエージェント:「ある特定の人物(女性)に関して、別室に連れていかれて質問される。ハイブランドを身に着けているとか、チケットを片道分しか買っていないとか、宿泊先をとっていないとか。別室に連れていかれたら、ほぼ帰らされてしまう可能性が高い」
特に入国審査が厳しいのはアメリカで、最近はオーストラリアでも厳しくなってきたと話します。
これまで男性が斡旋した中にも、2組の「入国拒否」となった女性たちがいたといいます。
海外出稼ぎエージェント:「1人はAちゃん、Bちゃんで友達同士で(アメリカに)行ったんですけど、なぜかBちゃんが天然すぎて、別室に連れて行かれた時に『彼氏いますか?』という質問に対して、『私の彼氏、ホストです』という、なんか謎の返答をしてしまって、(日本に)帰らされました。どっちも。もう1人は直近だったんですけど、カナダで働いていて。アメリカでお客さんが多いから、カナダからアメリカに移動したいと。いざ入国の日になった時に、(出国先の)カナダで止められました。理由がチケット片道しか取っていなかったというので。僕もチェック不足だったんですけど。そのまま、またカナダに戻って、カナダで今も働いています」
別室では、厳しい質問攻めが待っているといいます。
海外出稼ぎエージェント:「言ってしまえば、犯人に対して質問攻めをするという感じです。全部疑わしい感じできます。実際、携帯を見られて、画像フォルダーとか、ラインの検索ワードで『ホスト』とか、そういったのも調べられると思います」
■海外出稼ぎエージェント「迷惑かけていて申し訳ない」
日本人女性の入国拒否が続出する背景に浮かび上がってきた、海外売春出稼ぎ女性とエージェントらの実態。
海外出稼ぎに出る女性をサポートするエージェントのせいで、観光目的の日本人女性が入国拒否されていますが、この件についてはどう思っているのでしょうか。
海外出稼ぎエージェント:「こちらの業界のせいで、迷惑かけているのは申し訳ないなとは思いますね。捕まるリスクは、この業界入った時からある程度は理解している」
ハワイで入国拒否にあった女性は、次のように話します。
インフルエンサー 大阪市在住の女性:「今、日本人の方が違法で向こうで働かれてたりとかっていうのを後々知ったので。完全に、働きに来た子というふうに勘違いされたんじゃないか。そんなふうに思われるのは、すごいショックです」
(「グッド!モーニング」2023年11月14日放送分より)/a>
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