イノシシ用の罠にクマが!各地で出没 訓練された犬で「被害ゼロ」の町(2023年11月3日)
3日もまた各地でクマの出没が相次いでいます。新潟県や長野県でクマに襲われ、2人がけがをしました。人間が住むエリアにいかにクマを近付けないか、クマ対策の鍵は「犬」にあるようです。
■庭にクマ2頭 住宅の至近距離
長野県大町市の住宅の庭で1日に撮影された映像。2頭の熊が食事中でしょうか、口を動かしています。そして3日午前9時ごろ、この場所と同じ地区の山で50代の男性がクマに襲われました。病院に搬送され、軽傷とみられています。クマにいつどこで遭遇するか分からない状況のなか、新潟県でも新たな被害です。
午前6時半すぎ、新潟県長岡市の畑で作業をしていた60代の女性がクマに襲われました。腕や頭などにけがをしましたが、命に別状はないということです。
近所の住民:「(クマの)姿は見たことない。この住宅街はあまり出てこなかった。びっくりしましたね」
■イノシシ用の罠にクマが! 威嚇
広島県三次市の果樹園に集まる人々、警察官の姿もあります。その奥にいたのは檻(おり)に入ったクマです。
フルーツランドふの 戸田修司さん:「10月末で設置期限がきたので、クマ用の箱わなは返さなければいけなかった。うちはイノシシ用の箱わなだけが残って、その日(1日)にカキとリンゴをやられてどうしようかなと思っていたら、次の日(きのう)にイノシシ用の箱わなに(クマが)入っていた」
クマは興奮しているのでしょうか、撮影者を威嚇しています。
フルーツランドふの 戸田修司さん:「私も実際に野生のクマを見るのは初めてだった。よく出るというのは聞くが実際に見たことなかった」
クマ被害は全国的に異常な状態です。今年度のクマによる被害は10月末時点で180人に上っています。これまで最も多かった2020年度の158人をすでに大きく上回り、過去最悪の被害となっています。
■クマ対策に「犬」 追い払う力
各地で猛威を振るうクマに対して有効な対抗手段が犬です。やぶから攻撃態勢で飛び出してきた体長約1メートルのクマに対して犬はクマに決して屈することなく、やぶへと追い払いました。
動物研究家 パンク町田氏:「犬は我々からしてみれば犬だが、彼ら(クマ)からするとオオカミ。オオカミのいない所で生活したいというのがクマの望み」
犬を活用し、クマ被害を減らすことに成功した自治体があります。12年間にわたり、別荘地を含めて人的被害はゼロ。その鍵を握っていたのが、クマ対策のために特殊な訓練を受けた「ベアドッグ」です。
軽井沢町から委託 NPO法人ピッキオ 田中純平さん:「森の町といってもクマと住み分けていかなきゃ共存は見えてこない。人間だけで追い払いができるんだろうかという。なかなか難しい部分もあった」
まずはクマを捕獲。さらにクマの居場所確認のため、発信機を装着。その位置情報を頼りに市街地エリアなどとの境界線に近付いたクマを森林エリアに誘導するのが最も重要な仕事です。
■訓練された犬 「被害ゼロ」の町
12年間にわたり、クマの人的被害ゼロの長野県軽井沢町。訓練を受けたベアドッグの動きとは…。
軽井沢町から委託 NPO法人ピッキオ 田中純平さん:「5歳なので十分に経験を積んできているベアドッグになります。きょうはレラで行きます」
午前4時、森林エリアの境界線付近でアンテナをかざし、発信音を頼りにクマの位置を探ります。
田中さんの指示:「準備はいいか?クマを探せ」
次第に音量を増す発信音、その時…。
田中さんの指示:「よし、見つけたね!見つけた!クマにほえろ!ほえろ!」
ほえ続けること約2分。クマが遠ざかり、発信音が弱まりました。
田中さん:「いい子だ。いいぞ、レア!クマを見つけた。よくやった!」
このように人間とクマの境界線を明確にすることで、軽井沢町のクマ被害を抑え続けています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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