「誰も助けに行けない」 富士山の登山道閉鎖も…“すり抜け”続出 “軽装遭難”も【もっと知りたい!】(2023年10月6日)
先月10日に夏山シーズンを終えた富士山。現在は、山頂につながる4つのルートすべてが5合目、あるいは6合目から閉鎖となっています。登山道の入り口を見ても、バリケードが設置されていて、先に進めないようにしていますが、実はここを無理やり突破する登山者が続出しています。
■標高3776m山頂は…-4.2℃。今季一冷え込み
この夏、22万人を超える登山客でにぎわった富士山には、今も多くの人が訪れています。
オーストラリアから:「美しい」
アメリカから:「母が日本に来た時は、富士山を見せたいと思っていました」
5日の富士山。頂上を見上げてみると、山頂にはうっすら雪が掛かっていました。風が強く吹いているので、耳が痛くなるほどの寒さです。手元の気温計はなんと14℃。数字よりもさらに寒く感じます。
5日、甲府地方気象台は初冠雪を発表。平年より3日遅い観測です。標高2400メートルの富士吉田口5合目は、東京都心の最高気温(26℃)と比べると、12℃差です。
標高3776メートルの山頂は、マイナス4.2℃。今季一番の冷え込みとなりました。
ベルギーから:「(Q.寒くない?)とても寒いです。こんなに寒いと思っていなくて、ホテルにジャケットを忘れてしまった」
■上半身裸で登る人も…目立った「軽装登山」
富士登山が許可される山開き期間は、先月10日で終了。今年はコロナ禍明けで登山客が殺到し、トラブルが続出しました。
アメリカから:「(Q.靴を見せてください。これが登山靴ですか?)そう、これはハイキング用のサンダルです」
アメリカから:「(Q.この靴で登った?)はい、この靴で登ったのは、判断ミスでした。とても疲れました」
半袖・短パン、さらには上半身裸で登る人までもいました。万全な準備をせずに山に入ることは禁止されていますが、「軽装登山」が目立ちました。
■バリケードすり抜け…「軽装登山」でけがも
今、閉山した登山道の入り口は、富士山の頂上につながる4つの登山道がすべて閉鎖されていました。
先週にも現地を訪れてみると、外国人観光客が1人、また1人と立ち入り禁止のロープを越えていきます。
バリケードをすり抜け、出てきた男性に話を聞きました。
中国から:「これ(看板)は全然分からない」「(Q.知らなかった?)私は富士山はずっと開けていると」「(Q.ずっと開いていると思った?)はい、はい」
この次の日には、恐れていた事態が起きました。9合目付近で、40代の男性が下山途中に転倒。けがをしました。
警察によりますと、男性はスニーカー姿で登山の装備をしていなかったということです。
さらに先週も、閉鎖された登山道から現れた2人の外国人男性。これらの男性は半袖に短パンと軽装です。
オーストラリアから:「(Q.なぜ富士山に来た?)ハイキングしに来ました」
イギリスから:「(Q.富士山は今、閉鎖されていますが?)OK」
■地元の観光協会「閉山期間中は登らないで」
日中には、日の出を見て下山してきたと思われる登山客が、次から次へとバリケードから出てきます。
登山客:「(Q.閉鎖されていることは知ってた?)いいえ、本当に何も知りませんでした」
バリケードを突破する登山客について、地元の観光協会は、次のように話します。
富士宮市観光協会担当者:「この時期は山小屋もあいていないし、トイレも全部使えないなので、何かあっても誰も助けに行けない。閉山期間中は登らないでくださいと伝えているので、なるべくそれを守っていただきたい」
(「グッド!モーニング」2023年10月6放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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