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「赤い」品種も…糖度は例年より↑なのに激安 シャインマスカット“異例”値段の理由【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年9月27日)
シャインマスカットは、例年は1500円から2000円ほどの高級フルーツだが、26日にある店舗では598円で売られていた。シャインマスカットが異例の安さとなるなかで、山梨では新たな一手として「赤いシャインマスカット」の栽培も始まっている。
■“398円”も シャインマスカット異例安さ
客:「安い。食べないともったいない。今がチャンス」「(1000円超える)今までのお値段だと、きょうやめとこうかなとか。躊躇(ちゅうちょ)して他のものにしちゃう。この値段だったら毎日食べてもいい」
普段は買うのに躊躇する高級フルーツ「シャインマスカット」が、698円で売られている。その横には598円のシャインマスカット。一時は、なんと398円の値が付く事態に!
スーパーに並ぶ激安シャインマスカットを横目に、新たな一手を繰り出すブドウ農家も出てきた。
■店舗「500パック以上売れた」 なぜ安い?
この時期人気の「シャインマスカット狩り」。平日にもかかわらず、観光バスでやって来た客たち。40分食べ放題に、一目散でシャインマスカットへ。
シャインマスカット狩りに参加した客:「う~ん!」「おいひい」
シャインマスカットを口いっぱいに堪能。多い日には、200人以上のお客さんが訪れるという。
シャインマスカット狩りに参加した客:「3房食べようと思ったけど、ちょっと無理かも」
糖度が高く、皮ごと食べられるとして人気のシャインマスカット。1房1500円から2000円ほどする高級フルーツだが、なんと、山梨県産のシャインマスカットが698円で売られていた。さらには、598円の値札まで。
70代女性:「きょう見たら、あんまり安いからびっくりしちゃって。この値段だったら毎日食べてもいいかなと」「明日また買おうかな」「(Q.また来て?)そうそうそう」
山積みのシャインマスカットが次々と売れていく。なかには、3パックをまとめ買いする人もいた。
40代男性:「子どもが(シャインマスカット)好きなので。買う側としてはうれしい。メリットしかない」
この店では1日200パック以上が売れ、今月半ばには、398円で販売。その時について社長は、次のように話す。
スーパーイズミ 五味衛社長:「500パック以上が売れましたね。自分もそんなに売ったことなかった」
高級なはずのシャインマスカット、なぜ今、激安で売られているのか?
■暑さで収穫時期重なる&中国・韓国への輸出↓
小松沢レジャー農園 町田裕さん「今年の方が例年より糖度が若干高いです。より、おいしいブドウが出来上がっています」
異例の暑さで、ダメージを受ける野菜が多いなか、暑さに強いシャインマスカットは、例年以上に甘さが増しているという。実際に糖度を測ってみると、通常、糖度は18度程度だが今年は20度超え。
さらに、暑さの影響で生育が進み黄色くなったシャインマスカット の糖度は、なんと24度。通常に比べ、6度以上上回っていた。
町田さん:「黄色になってきているのも、糖度が上がってきて収穫できるサイン」
暑さで生育が早まった分、思わぬ事態となった農家もあった。
やまねぶどう園 内田善之さん:「ここがシャインマスカットの畑なんですけどね、もう残りがわずかになってしまった。今年はいつもより(収穫が)1週間くらい早く終わりそうです」
例年、来月10日ごろまでシャインマスカットの収穫を行っていたが、今年は前倒しになった。
内田さん:「積算温度といって、毎日の平均気温を足していって何度になると収穫できるっていう目安がある。温度が高いとそれが早まる」
通常、産地ごとに収穫時期が違うシャインマスカット。今年は暑さの影響で、生育が早まり産地の収穫時期が重なったことで、市場に多くのシャインマスカットが出回り、値段が下がったのだ。
さらに、今年は中国や韓国への輸出量が減ったことで、多くのシャインマスカットが国内市場に出回っているという。
■“赤い”シャインマスカットも登場
そんななか、生産量全国1位を誇る山梨県では、次なる一手が出されていた。
山梨ブドウ農家 古屋陽平さん:「これが、赤いシャインマスカット」
シャインマスカットと、サニードルチェという品種をかけ合わせて作られた「サンシャインレッド」。山梨県オリジナルのブドウだ。酸味と甘みのバランスが良く、シャインマスカットよりも香りが高いという。
山梨県果樹試験場 小林正幸研究員:「赤というところでシャインマスカットと差別化できるし、並べて売ってもきれいかなと」
今年の収穫はほぼ終了。来年以降、直売所などで購入できるという。
■農家激増のワケは…新規就農&くら替え
安さの秘密は、他にもあった。山梨県でシャインマスカットを作る農家を訪ねた。
これまで、巨峰やデラウェアなどをつくっていたシャインマスカット農家・小林孝幸さん。6年前からシャインマスカットにくら替えしたという。
小林さん:「シャインマスカットが人気出てたので、新しい品種のブドウを作ってみようということで始めた」
実は今、他の果物からシャインマスカットへくら替えする農家が激増しているという。その理由とは?
シャインマスカット農家が増えている理由は2つある。1つ目は「新規就農者の増加」だ。
山梨県では去年度の新しく農業に就いた人は331人で、これは10年前に比べて1.5倍に増加しているということになる。
山梨県の担当者に聞くと、増えている農家のなかでもシャインマスカットを作る農家が多いという。収益性が高く狭い農地でも収益を出せるので、非常に人気だということだ。
理由2つ目は「くら替え農家の増加」。
シャインマスカット農家の小林さんは、これまでは巨峰などを育てていたが、6年前にシャインマスカットに切り替えたそうだ。同じようにモモ農家からシャインマスカットに移行した農家もいるという。
全国のシャインマスカットの栽培面積は、2011年から2020年にかけて6倍に増えているという。そのため、山梨県だけではなく全国的にシャインマスカットを作る農家が増えているという。
■長野では梨減少…収益性は「豊水」より↑
一方で、梨の収穫量全国5位の長野県では年々、収穫量が減少傾向となっていて、去年は1万3000トン。2005年から比べると1万トンぐらい梨の収穫量が減っている。
その背景には、梨からシャインマスカットを作るという農家が増えているということがあるようだ。
理由について、長野県南信州農業農村支援センターの佐々木直人所長は「新しい苗木を植えた時に目標の収穫ができるまでに梨は10年程度かかるが、シャインマスカットは5年程度でより早く収益につながる。また、同じ面積を作った時にシャインマスカットの方が収益性が高いという理由がある」と話していた。
ちなみに長野県が目安としている経営指標では、1時間あたりの農業所得は梨の幸水が677円、豊水が1437円に対し、シャインマスカットは4760円ということで、より収益性が見込めるものになっている。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年9月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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