「配給権を購入するのに全財産を…」ウクライナのアニメ映画を日本で“初公開” 上映のため会社辞めた27歳の思い【news23】|TBS NEWS DIG
ウクライナで制作されたアニメ映画「ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン」の公開が日本で始まりました。この映画の公開に向け奔走したのが、粉川なつみさん(27)。粉川さんは映画の上映のため、会社を辞めほぼ全財産をつぎ込み配給権を獲得。彼女を突き動かしたものとは?
■「全財産を使って…」27歳女性が奔走 ウクライナアニメ日本初公開
特別な思いが込められた映画が、日本で初公開されました。
アニメ「ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン」。騎士に憧れる俳優と王女が恋に落ち、悪の魔法使いに立ち向かうストーリーで、ウクライナで制作されました。
日本で上映するため奔走したのが粉川なつみさんです。
Elles Films 粉川なつみさん
「ロシアとウクライナという大きな国で、まさかこんな戦争が起きてしまうのかと衝撃を受けたんです」
元々、映画配給会社で働いていた粉川さん。自分に出来る支援の形としてウクライナのアニメ映画の日本公開を思いつきますが、当時いた会社では、様々な理由で断念。
そこでーー
粉川なつみさん
「やっぱり会社を辞めるしかないかなと思って決断した」
「配給権を購入するのに私のほぼ全財産をつかってしまった。 マンションの頭金用の貯金を使いました」
ほぼ全財産をつぎ込んで獲得した配給権。ただ、吹き替えのキャスティングなど、費用は他にもかかります。そこで、クラウドファンディングを実施すると、集まった金額は900万円以上に。応援の輪が広がりました。
声優はボーイズグループ“INI”のメンバー・髙塚大夢さんに決まるなどし、日本語吹き替え版が完成しました。
映画を観た人(20代)
「ちょっとしたところでもクスッと笑える。今大変な人たちの支援に少しでもつながれば。周りの人たちにもすすめたい」
粉川さんを突き動かしたもの。
粉川なつみさん
「今まで人ごとだったニュースが、自分の中でこれは人ごとではないと思うようになって。戦争がなんで起こってしまったのか、すごく難しい問題だと思うんですけれど、ウクライナを知るきっかけにこの作品になったら、私としてはこのプロジェクトを通してやった意味があると思っている」
上映で得た利益の一部は、ウクライナに寄付されるということです。
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