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【解説】”震源の深さ”から分かること 東北地方地震の特徴は?『週刊地震ニュース』
先週は宮城県沖で最大震度4を観測する地震など、計30回の震度1以上の地震が発生しました。地震の仕組みを詳しく知るには、断面図を見るとよく分かります。そんな断面図から見える東北地方でおきる地震の特徴とは?
ここ最近の気になる地震活動について掘り下げる週刊地震ニュース。
今月13日から20日まで1週間に国内でおきた震度1以上の地震は30回でした。
17日午後6時すぎ、北海道の浦河沖を震源とするマグニチュード5.0の地震がありました。この地震では、函館市や青森県の東通村でも震度3の揺れを観測しています。
18日の昼前には最大震度4の地震がありました。震源は宮城県沖でマグニチュードは5.3、震源の深さは52キロでした。
石巻市、大崎市、松島町、涌谷町で震度4、震度3を宮城県内と、福島県内でも観測しています。
20日昼前には鹿児島県十島村の小宝島で、震度3の地震がありました。このトカラ列島周辺では、去年も震源の浅い地震が時々群発しておきているなど注意が必要です。
宮城沖を震源とする地震となると、去年5月1日に発生したマグニチュード6.8の地震で、宮城県石巻市や大崎市で震度5強の揺れを観測する地震がありました。
2011年3月11日に発生したマグニチュード9の東日本大震災からまもなく11年になりますが、まだまだ時々、強い地震が発生しています。
11年前の巨大地震直後に比べると、地震の頻度や回数は減少していますが、以前の状態には戻っていません。
一方で宮城県沖をはじめ東北地方の沖合は、次の地震がいつきてもおかしくありませんので、改めて地震、そして津波への備えが大切です。
こちらは、宮城県沖の一部を横から見た断面図になります。
この黒い部分が、これまでにおきた地震になります。
地震はプレートの境界付近でおこりやすいものですが、今回の震度4の地震と、去年5月の震度5強の地震はこのプレート境界付近でおきたものです。
地震の専門家・草野さんは、「地震が発生した場所を深さ方向に見ると、その地震の特徴を知ることができる」といいます。
東北地方で発生する地震を深さ方向に見ると、大きく3つのタイプに分けられ、それぞれ特徴があるそうです。
1つは、18日に宮城県沖で発生した地震のように、私たちが住んでいる「陸のプレート」と、その下に沈み込んでいる「太平洋プレート」の境目で発生するタイプの地震です。
東日本大震災のような大規模な地震も、このタイプで発生し、大きな被害をもたらすことがあります。
2つめは私たちが住んでいる「陸のプレート」の内部で発生する地震です。
このタイプの地震は発生する場所が浅く、いわば、私たちの足元で発生するため、マグニチュードがそれ程大きくなくとも、大きな被害をもたらすことがあります。
人が住む真下で発生することから、直下型地震と呼ばれることもあります。
最近の例では、2008年におきた「岩手・宮城内陸地震」があります。
3つめは太平洋プレートの内部で発生する地震です。
東北地方のはるか沖合の日本海溝の近くの太平洋プレート内部で発生する地震で、1933年の三陸沖地震はこのタイプで、太平洋岸を襲った津波により多くの被害が出ました。
地震を見るときは真上から見た地図で示すことが多いようですが、このように断面を見て深さを知ることで、より地震の知識を高めることもできます。
気象庁がおこなう会見資料にも、こうした断面図が必ず載っています。
以上、週刊地震ニュースでした。(2022年2月21日放送)
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