誰かに相談していれば40年の介護の末に79歳の妻殺害82歳の被告が記者に語ったことnews23TBSNEWSDIG

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「誰かに相談していれば…」40年の介護の末に79歳の妻殺害 82歳の被告が記者に語ったこと【news23】|TBS NEWS DIG

40年近く介護していた79歳の妻を車いすごと海に突き落とし、殺害した罪に問われている81歳の男が記者の面会に応じました。「誰かに相談していればこうならなかった」「反省しても反省しても反省してもどうしようもない…」その胸中を明かしました。

藤原被告(被告人質問)
「照子を海に落とした後、悲しさもあって5分くらい現場を眺めていた」

法廷で犯行後の様子を語った藤原宏被告(82)。去年11月、神奈川県の大磯港で妻の照子さん(79)を車いすに乗せたまま岸壁から海に突き落とし、殺害した罪に問われています。自宅の近所では藤原被告が献身的に照子さんの介護をする様子が目撃されていました。

近所の人
「一生懸命1人で介護をやっていて『お手伝いしようか』と声を掛けた時に、『俺がやっている、俺がやらなくてはいけないんだ』と言っていた」

そんな藤原被告がなぜ妻に手をかけてしまったのか。今月7日、記者の面会に応じた藤原被告は開口一番こう話しました。

藤原被告
「私がやったようなことがたくさん起きたらだめでしょ、私の心が弱かった証拠だよ。自分の家内を殺してしまったんだもん」

照子さんは1982年、37歳の時に脳梗塞を発症し、左半身を思うように動かせなくなり、藤原被告はそれ以来40年近く、ほぼ1人で介護をしていました。

記者
「誰かに相談しなかった?」

藤原被告
「“頑固親父”って言葉知ってる?俺は頑固な性格だから『俺1人で面倒見るんだ』と強い決心をした」

一方、照子さんは去年の年明けから夏ごろにかけ徐々に体調を崩すようになり、去年6月ごろ、自力でベッドと車いすとの行き来ができなくなったといいます。藤原被告は「この時が大きな転機だった」と話しました。

藤原被告
「家内の体調がおかしくなって…その時に誰かに相談していればこうならなかった。息子には精神的・金銭的な負担をかけたくなかったし、ケアマネージャーにも相談しなかった」

証人として出廷したケアマネージャーは、「被告はいつからか『介護を自分でやらないといけない』という強いこだわりを持ち、照子さんを所有物化していったと思う」と証言しています。近所の人も藤原被告の“異変”を感じ取っていました。

近所の人(去年11月)
「怒鳴り声は聞こえた、相当大変そうだなと感じた。今年になってそういうケースが2、3度あった」

検察側は「事件の直前、藤原被告が照子さんの顔を殴り、首を絞めるなど暴行していた」と指摘しています。周囲はこうした状況に気付き、照子さんを施設に入所させる手続きを進めましたが、藤原被告は「心中」を決意したといいます。

藤原被告
「彼女を突き落として何で自分がのうのうと生きているんだろう」

照子さんは海に落とされる直前、「いやだ」と大きな声を上げ、それが最期の言葉でした。

記者
「照子さんに対して、今何を思う?」

藤原被告
「ただ家内の冥福を祈るだけです。解決するわけじゃないけど、もういないんだから」

そして、机に手をつき目を閉じました。

藤原被告
「こうやって心の中でね、逮捕されてから200日くらいになるけど、毎日祈っています。反省しても反省しても反省してもどうしようもない…。介護を40年やることは普通のことだよ。それを最後に殺してしまった。大ばか者がやることですよ」

40年の介護の末に起きた殺人事件。11日の論告で検察側は「介護に追い詰められたのではなく、被告の自己中心的な犯行だ。典型的な介護疲れとは異なる」などと指摘し、懲役7年を求刑しました。

「最後に言いたいこと」を問われた藤原被告は、嗚咽まじりに泣き、大きな声で「照子、申し訳ない」と述べ裁判は結審しました。判決は今月18日に言い渡される予定です。

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