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タイタニック号の観光ツアー潜水艇が行方不明に…「96時間の維持能力」もプレイステーションのコントローラーで操作？【news23】｜TBS NEWS DIG

沈没船「タイタニック号」の観光ツアー潜水艇が行方不明になっています。潜水艇に乗っていたのは5人。中には宇宙旅行に挑戦した大富豪も…。「緊急事態が発生した場合、96時間の維持能力を持つ」とされている潜水艇ですが、内部はカプセルホテルの一室のような空間。運営会社の説明によると操作は“プレイステーションのコントローラー”。

■「タイタニックツアー」“安全性”を強調も、1時間45分後に連絡途絶え…

100年以上もの間、暗い海の底で眠り続ける、タイタニック号。
映画の最も印象的なシーンに登場する船首部分や、巨大な鎖もそのまま残っています。

ロマンの塊のようなタイタニック号の観光ツアーで、潜水艇が行方不明になりました。

1912年に沈没した、イギリスの豪華客船タイタニック号。約1500人が犠牲となりました。タイタニック号は大西洋の水深3800メートルのところに沈んでいます。

行方不明になった潜水艇は5人乗り。内部は広めのカプセルホテルの一室のような空間で、奥にはモニターがあります。動画では、モニターの前でコントローラーを操作する様子も。運営会社の説明によると、これはプレイステーションのコントローラーだそうです。

潜水艇に乗っていた5人のうち一人は…

2022年、宇宙旅行にも挑戦したイギリスの大富豪、ハミッシュ・ハーディング氏。「タイタニック探検隊」と書かれた旗にサインする写真とともに、SNSにこう書き込んでいました。

「明日の朝4時にダイビングを開始する予定です。チームには伝説的な探検家が複数います」

そのほか、フランスの探検家や、パキスタンの富豪とその息子、ツアーの運営会社の創業者が乗っていたと海外メディアが報じています。

アメリカ運営会社によると、ツアーの費用は日本円で約3500万円だということです。

潜水を開始してから、約1時間45分後に連絡が途絶えた潜水艇。その原因はわかっていません。

PR動画では…

潜水艇の搭乗経験者
「タイタニックは究極の夢」
「これまで僕が経験した中で、最も特殊かつ興味をそそるものじゃないかな」

また、安全性の強調も…

「すべての電子機器やナビゲーションシステムを点検する必要がある。とても複雑な乗り物なんだ。綿密に設計されており、とても安全。チームは安全第一を心がけている」

潜水艇に乗っているとみられる創業者は以前、こう語っていました。

運営会社　創業者
「これは観光事業ではありません。『乗組員』なので『観光客』という呼び方をしたくない」

水深約9800メートルなど深海への10回の潜航経験がある、名古屋大学の道林教授は…

名古屋大学　道林克禎教授
「船内にほとんど計器類が無く、それを一つの売りのようだが、4000メートルまで行って帰ってくるような性能を作っていたということで、構造自体に非常に驚かされた」

一般的に、2人から3人乗りが多いという潜水艇。母船と常に通信しながら海底に向かいますが、もし通信が途絶えた場合は…

名古屋大学　道林克禎教授
「潜水船は私が知っている限り、浮力材を使っている。基本となるのは『浮上する』ということを最優先させるのではないか。自力で上がってこられなかったら、吊り上げてもらうしかない」

浮上してきた痕跡がいまだ見つからない潜水艇。アメリカの沿岸警備隊やカナダ軍などが連携して捜索を続けています。

アメリカの沿岸警備隊
「緊急事態発生時、潜水艇は96時間の維持能力を持つよう設計されていると理解している」

深海に潜る際は、通常、余分に酸素を積んでいくといいます。

名古屋大学　道林克禎教授
「日数で4日から5日分の酸素を積んでいる。逃れられない空間なので、パニック状態になっても何もできないし、余計な酸素量を使うことにもなりかねない。お互い励まし合いながら、落ち着いて待っていることが求められる」

■「タイタニックツアー」の潜水艇、一体どこに…

山本恵里伽キャスター：
沈没したタイタニック号を見に行く観光用の潜水艇が消息を絶ちました。潜水艇はまず、カナダ東部を出発しました。そして18日の朝に水深3800メートルに沈むタイタニック号を目指して、潜水を開始したわけですが、約1時間45分後に連絡が途絶えたということで、今も捜索が続いています。

小川彩佳キャスター：
今も海中にとどまっているのか、それとも海上に浮上できているのか、そこもわからない中で、今後この潜水艇の場所というのは特定できるのでしょうか。

山本キャスター：
ロンドン大学のアリスター・グレイグ教授は、ロイター通信の取材に対してこう話しています。
「もし海底にあるのなら地形も分からないし、タイタニック号の残がいも捜索の弊害となるため、場所を特定するのはかなり難しい」と分析しています。捜索はアメリカとカナダの当局が連携して行っているということですが、搭載している酸素も96時間分ということもあって、時間との戦いと言えますね。

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