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「付き添い入院」の過酷な実態が調査で明らかに 子どもに付き添う保護者3600人の切実な声を国へ
入院中の子どもを世話するため、保護者が病院に泊まり込む「付き添い入院」について、国内で初めて当事者への大規模な調査が行われ、過酷な実態が浮かび上がりました。(取材・報告=上村晴香記者)
1日、国に届けられたのは、長期入院する子どもに付き添う保護者ら3600人の切実な声です。
1日も早い子どもの回復を願い、負担に耐え続けてきた親たちの実情が明らかになったのです。
以前、私たちは、2歳の娘の入院に付き添う父親を取材しました。ご飯は朝昼晩、コンビニで購入し、寝る場所もないため、小さな簡易ソファを目いっぱい倒して夜を過ごしていました。娘の体調の異変を知らせるアラームがいつ鳴るかわからず、気の休まることのない付き添いを、妻と交代で2年半近く続けています。
これまで付き添い入院については、実態が十分に把握されておらず、厚生労働省は2021年、調査に乗り出したものの、十分な回答が集まらず、対策の検討には至りませんでした。
その後、昨年の年末に、民間の支援団体が調査を実施。3600人を超える当事者の声が集まり、国内で初めてとなる大規模な実態調査が実現しました。
上村記者
「調査報告には、びっしりと当事者の声が書き込まれていて、ごはんを買いに行く時間もない、子どもと添い寝で寝られない、など厳しい生活の実態がうかがえます」
長期間に及ぶ付き添いにより、半数以上の人が体調を崩し、7割の人が、経済的な不安を感じていて、中には、付き添いで休暇を使い果たし、仕事を辞めざるを得なかった人も。子どもの治療が最優先となる裏で、疲弊していく家族の実情が、浮かび上がりました。
厚生労働省の通知では、家族が求め、医師が許可すれば、付き添いができることになっていますが、入院患者の食事や服薬、健康観察などの看護は、看護師が行うことになっています。
ところが、今回の調査では、約8割の人が、病院側から付き添いを求められ、9割の人が、看護師の役割である、食事や排せつのケアを肩代わりした経験があると答え、規定とはかけ離れた現状も明らかになったのです。
キープ・ママ・スマイリングの光原ゆきさん
「痛くて苦しい治療を頑張っている子どもを目の前にすると、親は子どもが頑張っているのだからと、自分の大変さに気が付かないし、自分が大変だと言えない。ご飯が食べられる、寝返りがうてる、安心して付き添える環境があること、付き添いが難しい時には安心して病院に任せられることが大事」
上村記者
「本来、看護師が担うべき医療的なケアをも、親が担わないと人手が回らない病院側の事情も浮き彫りになっています。団体は、こうした背景も含めて、国と病院が連携し改善することを求めています」
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