【禁止区域で“潮干狩り”】トラブルも…ドローンを使った監視も検討
今の時期楽しむ人も多い“潮干狩り”ですが、一方で禁止されている場所でアサリやハマグリなどをとる人が後をたたず、トラブルとなっているケースも出ています。そこで今、ドローンを使った監視の検討を行っているということです。
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今月5日、晴天に恵まれた三重県津市の御殿場海岸には多くの家族連れが訪れていました。お目当てはアサリやハマグリです。
潮干狩り客
「ちっちゃいの見っけ」
「何貝やろね?アサリかハマグリ?」
――何が採れましたか?
潮干狩り客
「ハマグリ!」
ゴールデンウィークの9日間で9万5000人以上が訪れ、潮干狩りを楽しんでいました。
お隣、松阪市の五主海岸でも砂浜を掘る人がちらほら。しかし、ここは潮干狩りの禁止地区です。
松阪市沿岸には漁業権が設定されていて、一般の人がハマグリやアサリを採ることは禁止されています。
それでも潮干狩りをする人が後を絶たず、地元の漁師たちがパトロールしているのです。
漁師
「あそこに(採った貝を)固めてもらっていいですか。採貝禁止なものでご協力お願いします」
この日、約1時間で注意したのは約20人。採られた貝は、回収します。
漁師
「(貝が)小さい間に採ってしまうと、ハマグリもアサリも減っている中で乱獲してしまうと、これ以上減ってしまうもんで」
三重県では海の環境の変化で、アサリやハマグリの数が減少。育つ前の稚貝が採られることは漁師にとっては死活問題です。
松阪漁協 採貝部会 石川聡 部会長
「産卵時期は絶対に採らない場所を作るなど取り組みをしている中で、いわゆる密漁、腹立たしい気持ちしかない」
しかし、なかなか注意を聞き入れない人もいます。漁師が声をかけたのは本格的な服装の男性ら2人。
漁師
「ここ採貝禁止にしてるんです」
貝を採っていた人
「私らそこの駐車場のおっちゃんに教えてもらって、そこの棒の立ってるところから向こうはあかんけど、こっちはいいって」
漁師
「けど、ここは禁漁区にしてあるんです」
貝を採ることは禁止だと伝えても…
貝を採っていた人
「細かいこと言わんとちょっとくらい持ち帰ってもええやん?」
漁師
「みんな放流してもらわないと」
貝を採っていた人
「そんなこと言わんと持って帰らせて。駐車場(料金)払ってるんだから」
漁師
「それは漁協とは関係ないから」
貝を採っていた人
「私初めて来たもんで、そんな殺生なこと言わんといてな」
「これだけ!」
漁師
「それを黙認したらあかん、みんな『これだけ これだけ』いうたら」
貝を採っていた人
「たったこんだけやん。堪忍してーな。これだけ持って帰らせて。遠いとこから来てんのに」
漁師
「どこから来てんの?」
貝を採っていた人
「大阪」
貝を持ち帰ることは漁業法違反となり、100万円以下の罰金が科されることもある犯罪です。5分以上の説得の末、貝を採っていた人は「返すわ」と言い、貝を海に返していました。
貝を採っていた人
「これでええの?」
「もっとこっちも(採貝禁止の)看板立てときーな」
パトロール中には注意した人とトラブルに発展することもあるといいます。
◇
そこで今、導入を検討されているのがドローンを使った監視です。上空からカメラを通して監視し、禁止地区で貝を採っている人を見つけると、顔が判別できるまでズームして撮影、証拠を残します。さらに…
ドローン音声
「アサリ、ハマグリ、シジミなど不法採取は犯罪です」
アナウンスを流し、警告することも出来ます。
1台90万円ほどと費用はかさむものの、漁協は漁師の負担軽減になると期待を寄せています。
松阪漁協 採貝部会 石川聡 部会長
「干潟が広い浜なので、歩いて注意しにいかないといけない。漁師も高齢の人が多い。トラブルも避けたいので、ドローンを飛ばして注意喚起ができるのはいいなと」
貴重な海の資源を守るため、ルールに従って楽しむことが大切です。
(2023年5月12日放送「news every.」より)
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