「計画的だが稚拙」指示組織存在か “現金以上”ロレックス裏ルートで海外売却狙う?(2023年5月10日)
東京・銀座の高級腕時計店に仮面姿の強盗が押し入った事件で、男らは国会の目の前も通って逃げていました。
■赤坂警察署の裏で…“逆走”目撃情報も
猛スピードで走り去る白い車。その後を4台のパトカーが猛追します。番組が入手した、逃走中の車を捉えた防犯カメラの映像です。
乗っていたのは、衆人環視のなか、堂々とショーケースをたたき割る白い仮面をかぶった男ら。東京・銀座の高級腕時計店から「ロレックス」100本以上を奪い、車に乗り込んで逃走しました。
ドアを開けたまま走り去る車はレンタカーで、ナンバープレートは付け替えられた可能性があることが分かりました。
車が犯行現場を離れたのは、午後6時20分ごろ。捜査関係者によると、大胆にも警視庁本部や国会前を通って、国道246号に抜けたとみられています。
路上を猛スピードで走り、4台のパトカーが追い掛けていたのは、赤坂です。人通りの少ないオフィス街。そこに白い車が、少し遅れてパトカーが追い掛けます。
さらに進んだ赤坂警察署の裏では、こんな目撃証言もありました。
目撃者:「ものすごいスピードで。車(体)を揺らしながら、猛スピードで走り去っていった。追い掛けているパトカーが、最低でも5~6台」
目撃情報からすると、車は一方通行を逆走したことになります。
車は、道幅の狭い丁字路に差し掛かると、前を走るタクシーに異常に接近。あおり運転状態です。その先に設置された、別の防犯カメラには「速度落とせ」と記された車道を逃走車両が駆け抜けます。
コーナーも、スピードを落とさずに曲がっていきますが、ウインカーだけはしっかり出していました。
■「お互い知らない」闇バイトか
その後、赤坂のマンションで現行犯逮捕された4人の男。いずれも横浜在住で、無職の16歳、飲食店アルバイトの19歳、職業不詳の19歳、私立高校3年の18歳です。
4人は「お互いのことは知らない」と供述していることなどから、犯行グループは、いわゆる「闇バイト」で集められ、別に指示役がいた可能性があります。
元埼玉県警捜査1課刑事・佐々木成三氏:「テンプラ(偽装)の車を用意している計画的な犯行にもかかわらず、稚拙な犯行形態でもあるので。計画した者と実行犯とは別という感じは受ける」
警視庁には、実行役3人の他に2人が車に乗っていたという証言も寄せられていて、逮捕された4人の他に、もう1人現場にいた可能性もあります。
奪われた100本以上の腕時計の行方は…。
捜査関係者によりますと、少年たちが確保されたマンションの周辺で時計が30本ほど入った黒い袋が見つかったということです。
これが奪われたロレックスだったとしても、残り70本以上がまだ見つかっていません。
■ロレックス「現金以上の価値」
都内で相次いでいる貴金属強盗。特に高級腕時計「ロレックス」が狙われています。その理由とは…。
ブランド品買い取りを行う「ブランディア」植松勇人取締役:「アメリカでもヨーロッパでも日本でも、ロレックスというブランドが強い。いわば、現金以上に価値がある」
ブランド品の買い取りサービスを行う店の担当者によると、1個数百万円から数千万円の値がつくロレックスは、札束よりも軽くて持ち運びしやすいうえ、世界中で人気があるといいます。
また、海外で換金しやすいことから、強盗に狙われやすいのではないかと指摘します。
植松取締役:「犯行後(国内で)換金は難しいが、国外の持ち出し。そういったルートを持っているのではと推測される」
ロレックスの腕時計には、それぞれ個体識別番号がついていて、国内では盗品情報が共有されています。
そのため、国内で換金することは難しく、海外で売り払う裏の販売ルートを持っているのではないかというのです。
警視庁は、背後に指示を出した組織があるとみて、捜査を進めています。
(「グッド!モーニング」2023年5月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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