【教員“働き過ぎ”問題】中学教諭で「過労死ライン」36%超……11時間勤務、休憩は20分 元教員「何のために教育を」
文部科学省が28日、昨年度の教員勤務実態調査の結果(速報値)を発表しました。“過労死ライン”を超えて働く教諭は小学校で14.2%、中学で36.6%でした。子どもへのケアや授業内容を充実させるため、新しい取り組みをしている学校もあります。
■長時間労働で疲弊する状況は今も
中島芽生アナウンサー
「残業月80時間以上のいわゆる“過労死ライン”。これを超えて働く教諭が小学校で14.2%、中学校では36.6%に上ることが分かりました」
「どれくらい働いているのか1日あたりで見ると、昨年度の平日は小学校で10時間45分、中学校では11時間1分です。さらに、勤務中に取る休憩時間は平均して20分程度にとどまっているということです」
「前回(2016年度)行われた調査と比べると、これでも勤務時間は小学校で30分、中学校で31分、ともにやや減りましたが、長時間労働で先生たちが疲弊してしまう状況は今も続いています」
■元小学校教員「子どもとの時間確保を」
中島アナウンサー
「2年前まで小学校で教員として働き、今は教育現場を離れた元木廉さんに話を聞きました」
元小学校教師 元木廉さん
「24時間働けますか、みたいな感覚があったと思います。夜の保護者対応もそうですし、保健室で仮眠してからもう一度仕事とか。子どもたちとの関わりの時間をしっかり確保していかないと、何のために教育をしているんだろうと(思ってしまう)」
■子どもへのケアもっと…ある学校の工夫
中島アナウンサー
「こうした状況を変えようという取り組みも始まっています。例えば東京・葛飾区の東金町小学校では、朝の職員会議をなくすなど事務連絡を全てオンライン化しました」
「また『~18:00にカエル』『定時にカエル』といったカードを机に置いて、自分が帰る時刻を示すことで、お互いに仕事を依頼する量やタイミングに配慮するなどしています」
「こうした取り組みで生まれた時間を、授業内容の充実や子どもたちへのより細かいケアに充てているということです」
■髙木さん「自分の時間取れるように」
髙木菜那(元スピードスケート選手)
「私の兄は中学校の教員をしていますが、部活動の顧問もしているので、忙しい時は土日も休みなく働いているな、と見ていました。休みがなかなか取れないので、兄に子どもができてから家族の時間を取るのがとても大変そうだなと感じました」
「兄を見ているとこの仕事にやりがいを持っていると思うので、難しい問題ではありますが、教員の方々にも自分の時間や家族との時間をしっかり取れる制度がなんとかできたらいいなと思います」
中島アナウンサー
「文部科学省は調査結果を踏まえ、今後有識者会議で待遇の改善や働き方改革の推進について検討する方針です」
(2023年4月28日放送「news zero」より)
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