「管理されたキャンプ場での倒木は非常にまれ」木の近くでテント注意点は？【解説】

「管理されたキャンプ場での倒木は非常にまれ」木の近くでテント注意点は？【解説】｜TBS NEWS DIG

キャンプ場で倒れた木がテントを直撃。一人が死亡するという事故が起きました。警察によりますと、木が倒れた原因は「根腐れ」だとみられるということです。「根腐れ」とは一体どんなものなのか?木に囲まれた場所にテントを張る際の注意点などを専門家に聞きました。

■キャンプ場で倒木“根腐れ”危険性判断しにくい

良原安美キャスター:
場所は相模原市にある「新戸キャンプ場」です。道志川沿いにテントを設置できて、星空も魅力的なキャンプ場だといいます。

日本オートキャンプ協会公認オートキャンプ指導者の上田洋平さんによりますと「都心からアクセスが良く、予約も不要な“穴場”」ということです。

16日の午前3時20分頃。高さ約18メートル、太さ約70センチメートルの木が根元から折れ、テントの上に倒れました。テントの中には夫婦が寝ていましたが、倒れた木の下敷きになり、夫（31）が肋骨を折るなどの重傷、そして妻（29）は亡くなってしまいました。

倒木の原因は“根腐れ”とみられています。根腐れとは「土の中の水分が多すぎて根っこが酸欠になり枯れてしまう状態」といいます。川の近くや日当たりの悪い場所に生えている木は注意が必要ということで倒木した木も根腐れしやすい状態にあったと言えるかもしれません。

日本オートキャンプ協会公認オートキャンプ指導者の上田洋平さんは「（根腐れは）一般の人は危険性を判断しにくい」と言います。新戸キャンプ場は「毎日点検しているが、倒れた木は問題なかった。今後も安全対策を行う」と話しています。

ホラン千秋キャスター:
自然のなかでのレジャーは倒木だけではなく、水難事故など、様々なリスクを把握した上で利用しないと今回のような悲しい事故になってしまいます。

パナソニック社外取締役　ハロルド・ジョージ・メイさん:
私もキャンプが大好きで月2回ぐらい行きますが、いろいろと意識はするものの、木が倒れるというのは、あまり聞いたことがない。キャンプでは鉄則があって「テントを張る前に必ず上を見る、下を見る」と言います。上に枝や木、岩がないか。下は川や動物はいないか。

しかし今回の倒木した木は腐っているようには見えませんね。枝もちゃんとあって葉っぱも出ている。私でも別に心配ないと判断してしまいそう。本当に怖いですね。

■木の近くでテント注意点は?

ホランキャスター:
テントを張るときは木陰になりそうな場所を選びがちなのでしょうか。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
本能的に木の周りの方が安全だと思ってしまう。風よけにもなるし、枝は焚き火に使えて便利なので。特にこういう場所は木が多いので避ける方が難しいくらいです。

良原キャスター:
木の近くにテントを張るのは▼日陰になる ▼雨をしのげるので一般的だと言います。
ただ雷の予報が出ているときは「木から離れた場所に張る」といった注意が必要です。日本オートキャンプ協会公認オートキャンプ指導者の上田洋平さんは「管理されたキャンプ場での倒木は非常にまれ」だと言います。

上田さんによると根腐れしていそうな木は・・・
▼葉の変色・落葉
▼幹がやわらかい
▼根元の土が湿っている

このような場所にテントを張る場合は・・・
▼樹木を叩いたり揺すって強度を確認
▼傾斜地やくぼ地を避ける
▼風の影響を受けにくい場所に
といった注意が必要だそうです。

日比麻音子キャスター:
判断するのは本当に難しい。どうしたら防げたのか。何度考えても答えは見つからないと思いますが、皆さんで声を掛け合って「ちょっとあそこやめといた方がいいかもね」など情報共有するのも手段としてはあるのかなと思います。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
海外の事例を調べましたが、倒木はやはり珍しい。雷に当たる方が2倍も確率が高いという統計もありました。やはり大自然では何が起きるかわからないという意識が大事ですね。

ホランキャスター:
ゴールデンウィークを控えて小さなお子さんたちは普段しないようなレジャーを体験するので、保護者の方が率先して様々な危機をしっかり防げるように意識することが大事なのかもしれません。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
大自然は素晴らしい。このようなことでキャンプそのものがなくなるのはよくないと思いますね。

日比キャスター:
正しく恐れて正しく対策を。できることを探っていく方法しかないのかもしれませんね。