【首相演説に爆発物】手製の爆弾を投げ込こんだか 専門家「大惨事を招いた可能性も」

【首相演説に爆発物】手製の爆弾を投げ込こんだか 専門家「大惨事を招いた可能性も」

【首相演説に爆発物】手製の爆弾を投げ込こんだか 専門家「大惨事を招いた可能性も」

和歌山県で岸田総理の演説会場に爆発物を投げこんだとして、威力業務妨害の疑いで職業不詳の木村隆二容疑者24歳が逮捕されました。木村容疑者は、いまだ黙秘を続けています。狙いは何だったのでしょうか。

威力業務妨害の疑いで逮捕された、職業不詳の木村隆二容疑者24歳。17日午前9時前、多くの報道陣が集まるなか、木村容疑者を乗せた車が和歌山西警察署から出てきました。木村容疑者は、顔を伏せることなく、まっすぐ前を見つめながら検察へと入っていきました。

事件が起きたのは15日、和歌山市の雑賀崎漁港です。岸田首相は応援演説のため、この場所を訪れていました。集まった人と握手を交わしながら、演説台へと進んでいったその直後、岸田首相の足下に爆発物が投げ込まれたのです。その瞬間、SPはすぐさま岸田首相を退避。悲鳴が飛び交う中、木村容疑者はその場で取り押さえられました。混乱が広がる中、爆発物が投げ込まれてから約50秒後、激しい音と白い煙があがりました。

「離れて!離れろ!」

この爆発で30代の男性警察官が左腕に軽いケガ、会場にいた70歳の男性も背中にケガをしたということです。

ケガをした男性
「振り向いたらドーンと大きな音がした。背中が痛いなって」

警察が遺留品の捜索にあたったところ、爆発物の本体部分とみられる筒状の物が、聴衆がいた場所を越えて40メートルほど先のネットにひっかかっているのが見つかったということです。警察によりますと、木村容疑者は事件当時、果物ナイフのような刃物やライターを所持していたということです。確保された際には、爆発したものとは別の“筒状のもの”も手にしていました。

兵庫県川西市の木村容疑者の自宅からは、火薬のような粉末や工具類などが押収されていて、警察は木村容疑者が自ら作った手製の爆弾の可能性があるとみています。

木村容疑者とはどのような人物なのか。近所の人に話を聞くと…

近所の人
「『こんにちは』というと小さい声で『こんにちは』って。普通の青年っていう」

木村容疑者は家族と暮らしていたといい、仲は良さそうに見えたといいます。

中学の同級生だという男性は…

中学の同級生
「おとなしい感じ。サッカーやってたような覚えはあるけど」

木村容疑者の小学校の卒業文集には「将来の夢」が綴られていました。

木村容疑者の小学校の卒業文集
「将来の夢はパティシエか発明家です。発明家になったら子どもが安全に乗れる車と大人も安全に乗れる車を作りたいです。お年寄りや一人暮らしの手伝いをするロボットなど役にたつ機械をつくりたいです」

今回、木村容疑者は“手製の爆発物”で事件を起こしたとみられています。銃器の専門家は…

銃器評論家 津田哲也氏
「これはパイプ爆弾。正規の品物・製品で出回ってるものではない。大概自作の密造品なのがほぼ100%」

爆発物について“パイプ爆弾”だと推測。火薬の種類は花火などに使われる「黒色火薬」の可能性があるということです。

銃器評論家 津田哲也氏
「今回は白煙があがっていた。あれは黒色火薬の特徴。火薬の量を増やした爆発力のあるものを使用した場合には、大惨事を招いた可能性もある」

捜査関係者によりますと、木村容疑者は爆発物にライターで火をつけてから投げこんだ可能性があるということです。

逮捕から2日。木村容疑者は警察の調べに「弁護士がきてからお話しします」と黙秘を続けているといいます。警察は動機などについて調べを進めています。
(2023年4月17日放送「news every.」より)

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