【判明した事まとめ】総理演説会場で爆発…漁師証言・容疑者の所持物・防犯カメラ映像（2023年4月17日）
４月１５日、和歌山市で岸田文雄総理の演説前に爆発物が投げ込まれました。事件直前の容疑者の様子を防犯カメラがとらえていました。
（記者リポート）
「和歌山西警察署から木村容疑者を乗せた車が出てきました。まっすぐ前を向いています」
まっすぐ前を見つめる男。威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕された兵庫県川西市の無職・木村隆二容疑者（２４）です。４月１７日午前、身柄が検察庁に送られました。
現場となった和歌山市の雑賀崎漁港の近くにある飲食店の防犯カメラ映像を見ると、１５日午前１１時１６分ごろ、岸田総理を乗せた車が通り過ぎます。すると、その直後に木村容疑者が現れ、車列が向かった方向に歩いて行きます。そして２分後の午前１１時１８分ごろ、雑賀崎漁港の防犯カメラ映像にも木村容疑者が歩いて漁港に向かう姿がはっきりと映っています。背中にリュックを背負い、手に傘と手提げかばんを持っている様子がわかります。この約１０分後に事件が発生しました。
この日、衆議院和歌山１区補選の応援に駆けつけていた岸田総理。地元のエビを試食し、演説の演台に上がろうとした際、木村容疑者が筒のようなものを投げ込みました。不審な男に気付いた漁師や警察官が聴衆の中にいた木村容疑者を取り押さえます。すると次の瞬間、銀色の筒が爆発。岸田総理はすでに避難していて無事でした。この時、警察よりも先に木村容疑者を取り押さえた漁師の男性（５４）は次の様に話します。
（木村容疑者を取り押さえた漁師の男性）
「ななめ左前に犯人らしき人がモノを投げたのを確認した。気にしていたら手元で何かまだしている仕草があったので、何か持っているのを見たので、襲いかかったというか。その時は無我夢中で押さえた」
取り押さえた漁師は他にも複数いました。
（木村容疑者の頭を押さえた漁師）
「２発目を放ろうとしてたのを捕まえたんや。わしとみんなで固まって捕まえた。頭を押さえにいった。しめつけていたが、足はばたばたやっていた」
足を押さえた漁師は…。
（木村容疑者の足を押さえた漁師）
「上から爆弾が降ってきて、僕はそれで振り返って後方に歩いていったんですよ。取り押さえていた人がおったんで、僕もちょっと足を押さえにいったみたいな」
捜査関係者によりますと、爆発した銀色の筒状のものは岸田総理の１ｍほど手前で落下。この爆発により、警察官１人が軽傷、演説を聞きに来ていた７０代の男性も背中に軽いけがをしました。
（けがをした男性）
「当たったんや、後ろからな、背中に。痛かったよ当たったときはな。圧迫するようなそんな感じ」
警察によりますと、木村容疑者は手提げかばんに刃渡り約１３ｃｍの果物ナイフも所持していたということです。現場には銀色の筒状のものが２つ残されていて、警察は爆発物処理用の車両などを使って回収しました。
また、警察は１６日午前１時ごろから、兵庫県川西市にある木村容疑者の自宅を捜索。家の中に爆発物がある危険性もあるとして周辺の住民を避難させ、まず爆発物処理班が作業にあたりました。結局、爆発物は見つかりませんでしたが、粉末・金属の管・工具類などが押収され、木村容疑者が爆発物を自作した可能性もあります。
木村容疑者の小・中学校時代の同級生は事件について…。
（木村容疑者の小中学校の同級生）
「びっくりしました。おとなしいけど優しい子だったので。誰かを傷つけることとかをしているのは見たことないです」
（木村容疑者の中学校の同級生）
「とにかくおとなしい、少人数の目立たない感じの男の子グループで仲良くしていた」
近所では木村容疑者が母親と庭の手入れをする様子も目撃されていました。
（近所の人）
「息子さんと少なくともお母さんは仲良かったんじゃないんですかね。草刈り一緒にしてるぐらいなので」
「お庭でお母さんがしゃがんでやってはる横で立っていたから手伝ってるのかなって」
動機は一体何だったのか。木村容疑者は警察の取り調べに対して黙秘を続けているということです。
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