「袴田事件」検察が特別抗告を断念 再審開始で袴田巌さん“無罪”の公算大 巌さんの姉「これで安心」【news23】｜TBS NEWS DIG
57年前に静岡県で一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」で、袴田巌さんの再審＝裁判のやり直しを認める東京高裁の決定が出たことを受け、20日、東京高検は最高裁への特別抗告の断念を発表しました。これにより再審開始が確定することになり、袴田さんは再審公判で無罪となる公算が高まりました。
「特別抗告断念という知らせがきました」
歓喜に沸く、東京高裁前に集まった支援者たち。静岡県浜松市では日課の散歩から戻ってきた袴田巌さん（87）に支援者が抱きつき、喜びを分かち合いました。検察が特別抗告を断念したことに、弟と共に半世紀以上も闘ってきた姉のひで子さん（90）は…
袴田巌さんの姉・ひで子さん
「それこそ再審開始の時と一緒でとても嬉しかった。本当にこれで安心」
袴田巌さんは57年前、現在の静岡市で味噌製造会社の専務一家4人が殺害された事件の犯人とされ、死刑判決が確定しました。しかし、2014年、静岡地裁から「再審」を認められ袴田さんは釈放されました。
今月13日、東京高裁も再審開始を決定。この決定では事件の証拠を捜査機関がねつ造した可能性にまで踏み込んでいました。東京高検は最高裁に特別抗告するかを検討し、20日がその期限でしたが…
東京高検 山元裕史次席検事
「承服し難い点があるものの、法の規定する特別抗告の申立事由があるとの判断に至らず、特別抗告しないこととした」
特別抗告を断念。これにより再審開始が確定することになり、袴田さんは再審公判で無罪となる公算が高まりました。
袴田巌さんの姉・ひで子さん
「本当によくぞ決断してくれたと思っております」
現在87歳の袴田さんは、死刑執行の恐怖と48年間に及ぶ拘束によって精神的に不安定な状況が続く「拘禁症状」と今も闘っています。
袴田巌さんの姉・ひで子さん
「あんたの言うとおりになったよ、安心しな、もう大丈夫だからって言った。だけど本人は反応はあんまりありません。私は巌は（特別抗告断念を）当たり前だと思っていると思う」
戦後の死刑事件で再審開始の判断が確定したのは今回で5例目。過去の4例についてはいずれも無罪が言い渡されています。
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