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【自分にもできる!】視力失った11歳 ブラインドボクシングへの挑戦『every.特集』
ボクシングジムのリングで鈴の音が響き渡る。視覚に障がいのある人がアイマスクをつけ、トレーナーが首から下げた鈴の音を狙いパンチを打ちこんでいた。「ブラインドボクシング」である。
視覚障がい者のために考え出された日本発祥のスポーツで、1ラウンド2分。パンチを当ててダウンを狙うのでなく、「殴り合わない」「見せるボクシング」である。視覚障がい者が放ったパンチが有効なパンチだったか、闘志や気迫が感じられるかなどを見て採点する競技だ。専門のジムは全国でまだここだけなので様々な世代の人がやってくる。
最年少の練習生は小学5年生の工藤聖真(しょうま)くん。両目の視力はない。生まれて間もなく両目にがん(網膜芽細胞腫)が見つかり右目を摘出。左目は見えていたため、毎日公園で遊ぶ活発な子供だったが、2年前、左目にがんが再発。様々な治療を試みたが結局視力はなくなった。
視力を完全に失った時に出会ったのがブラインドボクシングだった。今では心の支えになっている。聖真(しょうま)くんは「視覚障がい者なのにこんなにできるのかという驚きを見ている人に伝えたい」と意気込みを語る。
指導するのは元プロボクサーの村松竜二さん(49)。ブラインドボクシングに魅了され、2年前から協会の会長をしている。視覚障がい者は見て覚えることができないため、体に触れて打ち方を指導していた。
村松さんは現役のボクサー時代、事故で左手をケガして不自由になっていたが、それでもリングに上がり続けボクシングを続けた。だからこそ障がいがあっても素晴らしいパフォーマンスができると信じている。
「“失ったものを数えるな 残されたものを最大限に生かせ”という言葉がある」と話してくれた。二人はこの「ブラインドボクシング」を世の中に広めていきたいと夢を持って練習に打ち込んでいるのだ。
そんな中、聖真くんに初めて人前でボクシングを披露する機会がやってきた。訪れたのはプロボクサーも所属するジムだった。目の肥えたボクサーたちに自分たちのボクシングを見てもらい世の中に広める第一歩にしようと考えたのだ。皆、ブラインドボクシングを見るのは初めてだ。
現役のプロボクサーで元東洋チャンピオンの和氣(わけ)選手も興味深そうにリングを見つめる。そして、いよいよ聖真くんの出番。今こそ練習の成果を見せるときだ。聖真くんの挑戦が始まった。
(2023年3月6日放送「news every.」より)
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