東海道新幹線の“頭脳部”に初潜入 深夜の新システム運用テストを密着取材|TBS NEWS DIG
午前6時、定刻ピッタリに東海道新幹線「のぞみ」が東京駅から出発しました。
この部屋では、一日およそ320本、およそ46万人もの乗客を運ぶ、東海道・山陽新幹線の全運行を管理しています。
1列車あたりの平均遅延時間はわずか12秒。この緻密な運行を支えているのがー。
JR東海電気部システム課 浜畑仁美 課長
「こちらが(新幹線運行システム)コムトラック、新幹線を動かしている“頭脳”が入っている機器室になります」
厳重に管理されている新幹線の“頭脳部”に、今回初めてカメラが入りました。
JR東海電気部システム課 浜畑仁美 課長
「こちらが本当に今、私たちが新幹線を動かしている計算機。作業以外はここは立ち入り禁止にしている」
白いロッカーのようなケースには、警告を示す黄色いテープが巻かれています。この「コムトラック」と呼ばれる機器が、東海道・山陽新幹線の運行に関わる情報を処理します。
JR東海で女性として初めてコムトラックの管理責任者となった浜畑仁美さんが開発と保守点検を担います。
JR東海電気部システム課 浜畑仁美 課長
「列車が出発していいよとか、この駅は止まりなさいよっていうことを、列車をダイヤ通りに動かすための進路制御をする」
例えば、東京駅では多い時にはおよそ3分ごとに新幹線が出入りします。コムトラックは、上りと下りの列車がお互いの進路を塞がないよう自動で制御します。
JR東海電気部システム課 浜畑仁美 課長
「これは、ダイヤをつくるEDPと言われている情報処理系の計算機になります」
さらに、新幹線の加速などを計算して駅への到着時刻を予想し、ダイヤの作成を管理しています。
これは、1964年の開業当時の東海道新幹線の一日の「ダイヤグラム」。1本の線が1本の列車を表していて、当時は、人の手でダイヤを作成していました。これが現在は、無数の筋で埋め尽くされたダイヤに。
列車本数の増加とともに、コムトラックによるダイヤ管理が欠かせないものとなっているのです。
この新幹線の“頭脳”、今年10月に大規模なシステム更新を控えていて、この日の終電後、テストが行われました。
JR東海電気部システム課 浜畑仁美 課長
「緊張感のある作業なので、いつも通りやってください」
この更新では、1つの機械に集中させていた機能を複数に分けて、リスクの分散化を目指すといいます。
まずは、開発中のシステムに切換を行うため、使用中のシステムを停止。
JR東海電気部システム課 浜畑仁美 課長
「今、ここが赤いので、こっちの計算機とあちらに新しく動かしてる計算機を、繋げて初めてこちらが緑になります」
午前1時すぎ…
JR東海電気部システム課 浜畑仁美 課長
「確認試験に向けてマシーンを立ち上げ始めました」
試験中、異常を示す警報が出ました。
JR東海電気部システム課 浜畑仁美 課長
「どこで止まってるんでしょうね、嫌だな」
10分後…
「伝達回復しましたね」
テストは無事終了。無数の努力が当たり前の“定刻通りの運行”を支えているのです。
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