【解説】 “ルフィ”と関連は…連続強盗事件の指示役か 残る2人も8日に送還？
7日、フィリピンの収容施設にいて、連続強盗事件の指示役「ルフィ」の疑いが浮上している日本人4人のうち、2人が強制送還されました。
●移送の一部始終
●残る2人、8日に送還へ
●狛江市の事件で新たに
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■強制送還 きょうの流れ
フィリピン・マニラの収容所内で出発前、連続強盗事件の指示役「ルフィ」の疑いが浮上している今村磨人容疑者（38）と藤田聖也容疑者（38）の様子が撮影されていました。黒いベストのようなものを着せられて、短パン姿で座っている様子が確認できます。
日本時間7日午前8時すぎ、2人は身柄が置かれていたマニラのビクタン収容所を出発しました。
午前9時すぎ、2人はニノイ・アキノ国際空港に到着しました。9時20分ごろから、フィリピンのレムリヤ法相が空港で記者会見を行い、「第一陣として、2人を強制送還する」、「残り2人も、あす送還できることを期待する」と話しました。
その後、2人は警視庁の捜査員に身柄が引き渡され、午前10時15分ごろ、2人は日本へ向かう飛行機に乗り込みました。最初に藤田容疑者が、ゆっくりとタラップを上がりました。続いて、今村容疑者がうつむいた様子で捜査員に連れられて、飛行機に乗り込んでいきました。
そして午前11時前、飛行機が出発すると、2人は機内で、窃盗の疑いで逮捕されました。
午後2時半すぎ、2人を乗せた飛行機は成田空港に到着しました。藤田容疑者は捜査員に囲まれ、うつむいた様子で時折、目線を上げて、ゆっくりと歩いていましたが、一方の今村容疑者は落ち着いた様子で、前を真っすぐ見つめながら歩いていました。
■残る2人の容疑者も送還へ 今後の捜査は？
全国で発生している連続強盗事件の指示役「ルフィ」の可能性があるのは、4人の男たちです。まだフィリピンの収容施設にいる渡辺優樹容疑者（38）、小島智信容疑者（45）、そして日本に強制送還された今村容疑者、藤田容疑者 です。
7日、日本に帰国した今村容疑者と藤田容疑者は、一連の強盗事件ではなく、窃盗の疑いで逮捕されました。2人は、フィリピンを拠点とした被害総額60億円以上の特殊詐欺グループのメンバーとみられています。
捜査関係者によると、2019年にウソの電話をかけて、キャッシュカードを盗んだ疑いがもたれています。
警視庁は2人の身柄を東京都内の警察署に移し、特殊詐欺事件について本格的な調べを進めるとともに、連続強盗事件の指示役とされる「ルフィ」との関連についても調べる方針です。
現地当局は8日、渡辺容疑者・小島容疑者を強制送還したい考えです。現地での暴行事件の裁判が7日まで続いていて、送還に向けた法的な条件が整っていませんでした。
この裁判について、フィリピンの裁判所は7日午前、控訴を棄却し、渡辺容疑者・小島容疑者の弁護士は、「裁判所の判断を尊重する」と話しました。
フィリピン側は8日に予定されているマルコス大統領の訪日までに、4人の送還を実施することを目標としていましたが、公訴棄却を受けて、残る2人を送還するとしています。
■レンタカーに血のついた手袋 狛江・強盗殺人事件
指示役「ルフィ」は2022年3月から少なくとも8つの事件に関わっているとみられています。
そのうち、1月19日、東京・狛江市の住宅で大塩衣与さん（90）が殺害された強盗殺人事件で、警視庁は犯行に使われたとみられるレンタカーを押収しています。捜査関係者への取材で、レンタカーの車内から血のついた手袋が見つかり、大塩さんのものとみられるDNA型が検出されたことが7日、わかりました。
また2022年12月、広島市で起きた強盗殺人未遂事件で逮捕された4人のうち、1人が狛江市の事件に関与している疑いがあることも、捜査関係者への取材でわかりました。
◇
全国で相次いだ強盗事件は、多くの人を不安に陥れました。指示役の疑いがある4人が強制送還されることで、一連の強盗事件との関連について、全容解明が急がれます。
(2023年2月7日放送「news every.」より)
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