【解説】“闇バイト”大きな代償…犯行内容次第で死刑の可能性も

【解説】“闇バイト”大きな代償…犯行内容次第で死刑の可能性も

【解説】“闇バイト”大きな代償…犯行内容次第で死刑の可能性も

一連の強盗事件で、“闇バイト”の実態が明らかになってきました。お金と引き換えに差し出すものは、小さくありません。

「“狙われる”リスト」
「『抜けられない』」
「“だます”から“奪う”へ」

以上の3点について詳しくお伝えします。

■“闇バイト” 実行役がたどった犯行までの流れ
一連の強盗・窃盗事件の多くは、SNSで募集をかけた“闇バイト”によって実行役が集められたことが共通しています。例えば、去年11月に山口県で起きた強盗未遂事件の実行役とされる男は、“闇バイト”に応募してから犯行までの経緯をこのように話していました。

【実行役がたどった犯行までの流れ】
・SNSで「日当100万円」と書かれた求人を見つけた

・金が欲しくて連絡をとった

・すると、「報酬100万円のタタキの仕事」と連絡があった

・「タタキ」がわからず、ネットで調べたら「強盗」の隠語だとわかったが、金ほしさに従うことにした

・指示される場所にいったら、共犯者が4人いた

■SNSにあふれる“闇バイト”募集…警察も警戒呼びかけ
こうした犯罪に抵触する行為で報酬を得る“闇バイト”を募集する投稿は、SNSにあふれています。

そんなSNSで警戒を呼びかけようと、警視庁はツイッターにこのような投稿をしました。

【警視庁の投稿内容】
「闇バイト それでもやりますか?」
「顔・自宅・家族も知られ、断ると脅される」
「捨て駒は逮捕されるまで使われて刑務所へ」
一連の強盗などの事件で逮捕された容疑者は、「事前に身分証を見せたり家族構成を聞かれたりするので、後でやめたくなっても抜けられない」「“闇バイト”後に知らない男が訪ねてきた」などと話しています。応募者に免許証などの身分証と、自分の顔を自撮りした物を送らせることもあるそうです。

■“だまし取る”から“奪い取る”に…犯罪グループの“手段”に変化
SNS募集した“闇バイト”で実行役を集め、リスト化したターゲットを狙う構図は、特殊詐欺に似ています。指示役からの指示が、秘匿性の高い通話アプリ「テレグラム」などで行われることも共通しています。

これまでの特殊詐欺による“だまし取る”から、強盗などの“奪い取る”に犯行グループの意識が変わりつつある可能性も指摘されています。
そもそも、捜査関係者によれば、特殊詐欺は社会全体の警戒心が近年、強まっていることもあり、やりづらくなっているそうです。また、特殊詐欺は「劇場型」で、息子役、弁護士役などといった、現金をだまし取るためのニセの登場人物が多く、それなりの演技力も必要になります。そして、ウソの電話をかける拠点も必要になります。

一方、強盗は大金を持っているという情報さえあれば、(強盗に入る場所の)下見をして犯行に及ぶだけとなります。指示する側からしても集める人数は少なく、アジトもいらないため、手っ取り早く現金を手に入れようとする犯罪グループが出てきたとみられています。
実際、千葉県の強盗致傷事件で実行役として逮捕された中桐海知容疑者(23)は、親友によると、興味本位で闇バイトについて調べていたことがわかりました。

中桐容疑者は親友とのSNSで、「ひと攫(さら)ったら1000マンの仕事あるよ」、「まわしたろか運び屋 50マン」「いつでも言ってきてー」「23(歳)で年収1000まん行った」などと、罪の意識なくさまざまな犯罪に加担している事を明かすようになったそうです。そして、逮捕の2日前には、「悪い事楽しんでたら知らんうちに幹部になってたんやけど」とメッセージが来たそうです。

親友は、中桐容疑者が“闇バイト”にはまったのではないかと感じたといいます。

■強盗事件の刑の重さは? 強盗殺人では実行役でなくても死刑になる可能性も
では、実際に強盗事件などに関与し罪に問われた場合、どれぐらいの刑が科されるのでしょうか。

まず、特殊詐欺で問われる詐欺罪は「10年以下の懲役」、強盗罪は原則「5年以上20年以下の懲役」、強盗が人をケガさせた場合に問われる強盗致傷罪は、「無期または6年以上の懲役」、強盗が人を死亡させた場合に問われる強盗致死罪や強盗殺人罪については、「死刑または無期懲役」となっています。闇バイトなどで軽はずみに詐欺や強盗などに加担すると、このような罪に問われる可能性があります。

また強盗殺人の場合、現場に行っていない指示役であっても、共犯に認定されれば実行役と同様、死刑または無期懲役が科される可能性があります。それだけ重大な犯罪だということを、今一度お伝えしたいと思います。
もし、闇バイトで犯罪に加担してしまったらどうしたらいいのか。闇バイトに詳しい犯罪ジャーナリストの多田文明さんは、「警察に出頭するしかない。家族を理由に脅され心配にもなるが、警察に言うことで家族を守ってもらう」と話していました。

   ◇

まずは“闇バイト”のような不審な投稿には乗らないこと、そして、万が一犯罪に加担してしまっても、恐れずに警察に相談しましょう。
(2023年1月31日放送「news every.」より)

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