救急医療ひっ迫の最前線 社会は「ウィズコロナ」へ 命を救う現場から見えたもの|TBS NEWS DIG

救急医療ひっ迫の最前線 社会は「ウィズコロナ」へ 命を救う現場から見えたもの|TBS NEWS DIG

救急医療ひっ迫の最前線 社会は「ウィズコロナ」へ 命を救う現場から見えたもの|TBS NEWS DIG

政府は新型コロナウイルスの感染症法上の扱いについて、5類に引き下げる方針を正式決定しましたが、一方、救急現場のひっ迫は今も続いています。5類を前に、社会が「ウィズコロナ」に向かう中で、命を救う最前線の現場から見えてきたものとは…。
 
東京・港区の虎の門病院。救急外来では新型コロナ疑いの患者や重症者を受け入れています。

発熱などの症状がある患者が搬送された場合、抗原検査が行われます。

「コロナの検査です、がんばれ」

救急にある病床は11床。搬送された後にコロナ陽性が判明するケースも少なくありません。

「陽性だった?了解です」

虎の門病院救急科 荒井直美看護師長
「結構本当に多いんです、(病院に)いらしてから検査でコロナ陽性だった」

新型コロナの第8波では救急がひっ迫、全国の救急搬送の困難事案は過去最多に。

社会が「ウィズコロナ」へと向かうなかで、通常の病気やけがが増えていることが要因です。

虎の門病院救急科 島 完 医師
「(朝から)ずっとベッドが埋まってる状況ですね。陰圧用のブースがうちの場合は5つありますが、フル回転。空いたと思ったらすぐ次の患者が入って、結果お断りせざるを得ない患者も出てくる」

「虎の門病院です」

救急車からの受け入れ要請の電話です。しかし…。

「もう満床で申し訳ないですけど、対応が難しいですね。ごめんなさい」

ベッドが空いていないため、断らざるをえませんでした。この日、救急要請の電話は30件、そのうち9件を断りました。

虎の門病院救急科 島 完 医師
「基本的にはどんどん受けようと思ってるんですけども、非常に難しいところは高齢者の救急が増えてくると、我々の病院じゃないと対応できないような、重たい病気の方を今度は診られなくなる。非常に苦しい判断を毎日している」

ベッドに横たわる90代の男性。軽い肺炎があり、入院が必要でしたが、一般の入院病床が満床で、6時間近く転院する病院を探していたといいます。

虎の門病院救急科 島 完 医師
「何が一番深刻かって、新型コロナの人も深刻ですが、それ以外の病気に与えている影響ですよね。コロナ疑いで療養されてる方が心筋梗塞を起こして、1分1秒を争うのに、コロナで療養中だから病院が決まらない、あってはいけないことだと思うんですが、それが起こっているのが現実です」

この日の夕方、3床空きました。ところが…。

「はい、虎の門病院です」

午後6時すぎ、再び救急要請の電話。受けているそばから、また電話が…。

「両方(の患者を)取る」
「これで全部埋まりました」

ベッドが空いてから、わずか10分でした。

虎の門病院救急科 島 完 医師
「ちょっとスペース空いたと思ってもすぐ埋まっちゃう、自転車操業ですね。仕方ないですね」

記者
「午後6時半前です。虎ノ門病院にこの15分間で3台続けて救急車が入ってきました」

いま、救急の現場は、あるジレンマを抱えているといいます。

虎の門病院救急科 島 完 医師
「(コロナの)患者さんをたくさん受け入れると、がんなど通常の医療にも制限をかけないといけない。制限をかけることによって、コロナじゃない方の健康に対するデメリットは看過されていいのか、常にジレンマとして持っている。要するに医療のバランスをどう取るのか、今回の冬は非常に試されていると思います」

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