母親の診療方針めぐりトラブル?訪問診療に奔走した医師が犠牲に・・・散弾銃立てこもり(2022年1月28日)
埼玉県ふじみ野市の住宅で27日午後9時過ぎ、男が、医師の鈴木純一さん(44)や理学療法士の男性ら7人に対し、散弾銃を発砲するなどし、そのまま、鈴木さんを人質にとって立てこもりました。
警察が突入したのは、立てこもりから約11時間後の28日午前8時ごろ。鈴木さんは、心肺停止の状態で発見され、その後、死亡が確認されました。また、理学療法士の男性は、胸を撃たれ重傷。警察によりますと、散弾銃は2丁あり、どちらも登録されていました。
殺人未遂の疑いで逮捕された渡邊宏容疑者(66)は、92歳の母親と2人で暮らしていました。母親は常に介護が必要な状態だったといいます。
近所の住民:「流動食だったんで、食事の時でも詰まらせたらいけないって、目が離せなかったとケアマネさん(が言っていた)」
渡邊容疑者は、26日に母親が亡くなり、27日に鈴木さんたちを呼び出したということです。動機については、黙秘しているといいます。
亡くなった鈴木さんは、24時間365日対応の在宅訪問診療所を経営していました。
亡くなった鈴木さんの患者:「僕でよければ診てあげるよって言われて、土曜日1回だけ診察頂いていて。もうすっごくいい先生で」
父親が鈴木さんの患者:「明るいし、希望を与えてくれるし。日本に医療について語って『これからは在宅だよ』って」
地元の医師会の会長は、鈴木さんのことを、非常に責任感が強い人だったと語りました。
東入間医師会・関谷治久会長:「新入会員のあいさつの時に、彼(鈴木さん)は術衣で来た。首に聴診器をぶら下げてきた。普通なら背広とネクタイで来るが、彼は『在宅医療がしたい』と。食事の時間も呼び出され、睡眠時間も短い、いつ呼び出されるかもしれない。『理事会であいさつしている時にも呼び出されるかもしれない』と」
鈴木さんが亡くなってしまったことは、地元の医療にとって大きな痛手だといいます。
東入間医師会・関谷治久会長:「(鈴木さんが)在宅で持っている患者が約300人。2市1町の在宅訪問の約8割を(鈴木さんが)担っている。在宅医療の根幹が揺らぐような大きな存在」
医師会によりますと、鈴木さんは、渡邊容疑者の母親を5~6年診ていました。しかし、医師会の窓口には、渡邊容疑者が、治療方針に関して相談していた記録が残っていました。
東入間医師会・関谷治久会長:「高齢のお母様だったので、なかなか食事がのどを通らない。渡邊容疑者から胃ろう(栄養を管で送る処置)をしてくれないかと。在宅医療では、胃ろうはなかなか今は作らない。そこで(鈴木さんと)意見が合わないと」
渡邊容疑者は15回ほど電話をしていて、24日にも相談の電話があったといいます。母親が、病気で食事がとることができなくなっていたなかで、今後の治療方針をめぐり、渡邊容疑者と鈴木さんとの間で、意見の食い違いがあったということです。
警察は、母親が死亡したことで、主治医の鈴木さんと何らかのトラブルが起きた可能性があるとみて調べています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く