「たまご買えば毎月高配当」“ねずみ講”で社長逮捕… 「グーグルのように大化けする」逮捕前に語っていたこととは？｜TBS NEWS DIG

「たまご買えば毎月高配当」“ねずみ講”で社長逮捕… 「グーグルのように大化けする」逮捕前に語っていたこととは？｜TBS NEWS DIG

「たまごを買えば、毎月配当金が得られる」などとうたい、“ねずみ講”を運営したとして、会社社長の男が警視庁に逮捕されました。「グーグルのように大化けする」こう豪語していたこの男、JNNのカメラは逮捕直前まで諦めず会員の勧誘を続ける姿を捉えていました。

「（Q．峯岸さん、ねずみ講していたんですか）頑張ってきます」

警視庁の捜査員に連行される健康食品販売会社の社長・峯岸正治容疑者（58）。

峯岸容疑者が、元スタッフの塩沢正人容疑者（63）と共に運営していたのは「みんなのたまご倶楽部」。

峯岸容疑者らは「ねずみ講」を運営し、去年から今年にかけ、54歳から80歳の6人からおよそ31万円を集めた疑いがもたれています。

仕組みはこうです。

会員は、峯岸容疑者が“栄養価が高い”とうたう「たまご」90個を1万3900円で毎月購入。新規会員を紹介すれば最低でも2万5000円の配当を得られるというカラクリです。

JNNは逮捕の5日前、タワーマンションの43階にある峯岸容疑者の自宅を直撃。峯岸容疑者は、「みんなのたまご倶楽部」は“高齢者の年金システム”だと主張しました。

峯岸正治容疑者
「毎月払ってる今の年金貯めて増やして金利で払うっていうやり方じゃなくて、流通ベーシックインカムっていう形でできるっていうこと。新しい年金システムというものを僕は考案した。おじいちゃんおばあちゃんの本当の最後の砦は“みんなのたまご倶楽部”でしょ。なんでそれを捕まえるのって」

「みんなのたまご倶楽部」は、会員が友人などを新規会員として加入させ、その後、125人に増えれば「毎月24万円の安定した配当がある」とうたっていました。

しかし…

警視庁によりますと、会員のおよそ2割にしか「たまご」が届かず、さらに、“配当金ゼロ”が8割ほどを占めたということです。

今年5月には、警視庁などが自宅や北海道の関係先などを家宅捜索。捜査の手は峯岸容疑者に迫っていました。

しかし…峯岸容疑者が逮捕の3日前に現れたのは札幌市。市内の公共施設で、2日間にわたり高齢の会員に対し独自の主張を展開しました。

峯岸正治容疑者
「ほら、だんだん分かってきただろう。1個150円の卵は適正価格だよっていうこと。実際に北海道では500円で売っているのよ」

「会費を払うことで、コロナ禍で生活苦の家庭を支援できる」などと話していた峯岸容疑者。

元会員の男性は…

「みんなのたまご倶楽部」元会員
「良心、真心、思いやり、巧みに心の隙を突いてね、言葉巧みにだまし取る。憎しみとか、悲しみとか、自分に対しての情けなさとか」 

「みんなのたまご倶楽部」は、こうした手口で全国47都道府県の1万1000人ほどからおよそ3億円を集め、大半が峯岸容疑者に渡っていたとみられています。

峯岸正治容疑者
「（休眠状態なことに関して）代表としてお詫びはしますけど、安心して待っていて下さい。大化けしますよ。グーグルやアップルと同じような会社になってみせますので。いま耐えるときですから」

峯岸容疑者は“グーグルのように大化けする”という言葉を残し、逮捕されました。

消費者問題に詳しい弁護士は、ねずみ講は必ず破綻する、と警鐘を鳴らします。

消費者問題に詳しい 加藤博太郎弁護士
「始めた人は何もしないでも莫大な利益が得られる。下につけばつくほど下から回収して金銭を自分のところにピラミッド型の構図で集中するから儲かり続けるが、大多数の下についてしまった人たちが損をしてしまう。破綻後に多数のトラブルが起きる。人間関係を壊してしまうことが、ねずみ講の怖いところ」 

警視庁は、ほかにも「みんなのたまご倶楽部」の運営に関与したスタッフがいるとみて捜査しています。

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