中国で大学側が学生に「帰省」促す 抗議デモの再発防止が狙いか｜TBS NEWS DIG
厳しいゼロコロナ政策への抗議活動が各地に広がる中国で、警察や司法を統括する組織のトップが「敵対勢力を断固取り締まるべきだ」と指示しました。抗議デモが起きた大学では、学生を次々と実家に帰省させるなど、政府は封じ込めに躍起になっています。
記者
「学生たちを乗せたバスが今、清華大学を出ます」
けさ、北京市の名門・清華大学から出発したバス。学生を実家に帰すために用意されたものです。
清華大学はきのう、突如、学生たちに帰省を促し始めたのですが、そのきっかけとみられるのが…
「逮捕を恐れて声を上げないのなら、人々は私たちに失望すると思う」
キャンパス内で起きた「白紙運動」とも呼ばれる、言論統制とゼロコロナ政策への抗議活動です。
清華大学では5月以来、コロナ対策の名目で、キャンパス内の寮で暮らす学生と外部との接触を断つ封鎖措置がとられていて、今回の動きは、外に出られない学生たちの不満を解消すると共に、抗議デモの再発防止が狙いとみられます。学生たちは…
学生
「デモについてはコメントしません。いま急いでいますので…」
「（Q.大学で起きた件ですが）…。（Q.答えづらいですか）そうです、すみません」
一方、スーツケースを持った学生らが一目散に大学から出ていくこちらの映像。広州市で撮影されたとみられます。
きのう、広州市政府は大学のある地域について、「感染拡大の速度が速い」と警告。これを受け、大学側が学生に対し、「ロックダウンされるかもしれない、今のうちに帰省したほうがいい」などと伝え、学生たちが一斉にキャンパスを出る騒ぎになったのです。
きのう夜も各所で起きた、厳しいコロナ対策に反発する住民たちと防護服を着た警察官との衝突。
地方政府からは、こんな異例の声明も。
浙江省政府
「人民が第一で、コロナ対策が第一ではない」
浙江省政府が発表したもので、「一部地域でコロナ対策の名目で権力を乱用し、民衆の生計経済と生活を軽視している」と批判しています。一方で習近平指導部は、デモに対する取り締まりを強化する方針です。
警察や司法を統括する組織のトップは…
中国共産党中央政法委員会トップ 陳文清氏
「敵対勢力の妨害活動を断固として取り締まるべきだ」
「どういうこと、何が見たいの」
上海では、警察官が通行人のスマートフォンの中身を確認しているような様子が。
抗議デモの予定は、ツイッターなど西側諸国の通信アプリを通じて拡散されており、それを調べているのではないかと指摘されています。
「やりすぎだ。個人のプライバシーを何の権限で侵害するんだ」
政府による締め付けは確実に強まっていて、関係者によりますと、デモ参加者を警察官が自宅から連行する例も出始めているということです。
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