【韓国・梨泰院転倒事故】事故から約1か月…“生存者”の男性語る
韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)で158人が死亡した転倒事故の発生から、29日で1か月になります。事故に巻き込まれながらも一命を取りとめた“生存者”の男性の証言から、当時の現場の状況が明らかになりました。
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28日、韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)。事故から間もなく1か月がたつ現場には、追悼の花などがそのまま残されていました。現場となった路地には、今もさまざまな言語で書かれた追悼のメッセージが壁を埋め尽くしていました。
花を手向けるために、日本から訪れた女性の姿もありました。
友人を事故で亡くした日本人女性
「友人が亡くなって…若い方がたくさん亡くなっているのを見ると、ずっと心が痛くて」
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あの事故から、11月29日で1か月――。
事故は10月29日の夜、ハロウィーンで多くの人が訪れた梨泰院で起きました。
11月20日には、事故現場に手向けられた花を見つめる1人の男性がいました。白俊鉉(ペク・ジュンヒョン)さん、28歳です。
白俊鉉(ペク・ジュンヒョン)さん(28)
「事故が起きたとき、亡くなった人をたくさん見たので、悔しい気持ちが一番大きい」
転倒事故に巻き込まれたものの、一命を取りとめた“生存者”です。この場所を訪れるのは、事故以来、初めてでした。白さんは当日、梨泰院で友人数人と食事をしたといいます。事故直前の午後10時ごろ、友人と2人で事故現場となった細い路地に入ったのです。
白俊鉉さん
「人は多かったのですが、これくらい(一人分程度の幅)のスペースはあって…」
白さんと友人の2人は、辛うじて路地の上までたどりつきました。白さんは路地の上からスマートフォンで写真を撮影していました。撮影時間は、事故の発生とほぼ同時刻の10時16分。多くの人が隙間なく、密集していました。
白俊鉉さん
「写真を撮ったことを覚えていません」
――記憶は?
白俊鉉さん
「ありません」
事故の衝撃で当時の記憶が断片的だという白さん。この直後、事故に巻き込まれたとみられます。
白俊鉉さん
「(周りの人が)倒れて、私も倒れて、上からも倒れてきたので、折り重なる状況になって事故が起きたように記憶しています」
大柄の白さんは、上半身こそ圧迫されていない状態でしたが、まったく身動きが取れなかったといいます。
白俊鉉さん
「10分から15分ほど下敷きになっていました。」
白さんは友人と一緒に助け出され、その後は、他の人の救助にあたったといいます。
白俊鉉さん
「水を飲ませて『しっかりしろ!』って頬をたたいたり、手を握ってあげたりしました。『一緒に生き残ろう』と言ったけど、そこで亡くなった方もいます」
白さんは脚のじん帯を損傷し、全治3週間のケガをしました。
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日本人2人を含む158人もの命が失われた事故。
息子を亡くした女性
「守ってあげられず申し訳ない。『愛している』と大きな声で伝えたいです。愛しているよ、愛しているよ、私の息子…」
遺族らは、「事故の責任は、政府や自治体、警察にある」と訴え、徹底的な真相究明を求めました。
そして28日、韓国の弁護士団体が会見を開き、被害者らの支援を行う委員会を立ち上げると表明しました。今後、国や自治体を相手取り、損害賠償を求める裁判を起こすことも検討しているということです。
事故をめぐっては、警察などの警備計画の不備や対応の遅れが次々と明らかになりました。一方、警察内では責任の所在をめぐり、意見が対立しているのです。
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追悼を目的として行われている大規模集会は、今や尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領への批判一色になっています。反政権側の団体が主催し、尹(ユン)政権に退陣を要求しています。
“生存者”の白さんは、政治や警察内部の対立には「嫌気がさす」といいます。
白俊鉉さん
「今はそんなことより、再発防止を考えることが大切です。大切な命がたくさん失われたんだから…」
二度と悲劇を繰り返さないための再発防止が求められています。
(2022年11月28日放送「news every.」より)
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