英・チャールズ国王に生卵投げつけ「この国は奴隷の血で成り立っている！」と叫び…23歳の大学生逮捕　一体なぜ卵を？｜TBS NEWS DIG

英・チャールズ国王に生卵投げつけ「この国は奴隷の血で成り立っている！」と叫び…23歳の大学生逮捕　一体なぜ卵を？｜TBS NEWS DIG

即位から2か月が経ったイギリスのチャールズ国王。イギリス中部のヨークでカミラ王妃と共に市民の前に立った際、突然、複数の生卵が投げつけられました。「この国は奴隷の血で成り立っている」と叫び、その場で取り押さえられたのは、地元の大学生でした。一体なぜ生卵を投げつけたのでしょうか。

■チャールズ国王に生卵　逮捕の男「この国は奴隷の血で成り立っている」と叫び…

11月9日、イギリス中部を訪れていたチャールズ国王。

ブーイングとともに、国王のまわりに卵が複数飛んできました。最後の1個は、伝統衣装を着た女性が手で払いのけました。
別の映像では、1つは国王と握手をしている女性の手に当たっているようにも見えます。

騒然となる周囲。国王の足元には、割れた生卵がありました。別の卵も地面に落ちて割れていました。

警察官に取り囲まれた男はこう叫びます。

卵を投げつけた男
「私の国王ではない！」

警察官
「落ち着け！落ち着け！」

チャールズ国王は動じずにその場にとどまっていました。幸いケガもありませんでした。

周囲からは国王を称えるコールが…

周囲の人
「GOD SAVE THE KING！！(国王万歳）」

卵を投げつけたのは、地元ヨーク大学に通う23歳の男。その場で警察に逮捕されました。

卵を投げつけた男
「この国は奴隷の血で成り立っている！」

拘束された際、このように叫んでいました。

卵を投げつけた男
「投げた卵は国王が王冠をかぶるために命を落とした奴隷制度、植民地主義、帝国主義の犠牲者にとっての唯一の正義だ」

男は環境保護などを訴える活動家で、地元メディアは少なくとも5回の逮捕歴があると報じています。

■国王支持率は70％　「国王の対応は実に落ち着いていた、ふさわしかった」

国山ハセンキャスター：
卵を投げつけられたチャールズ国王ですが、支持率は上がっています。イギリスの世論調査会社YouGovによると、5月は支持率が54％でしたが9月の調査では70％となっています。

小川彩佳キャスター：
支持率は上がっているんですね。

ハリー杉山さん：
そうですね、支持率がここまで上がっているからこそ今回の事件と言っていいのか、出来事に驚いています。でもイギリスの歴史を掘り下げていくと、「卵を投げる」ということはそもそも中世期からずっとよく起きていることなんです。元々は、舞台上でお芝居をされている役者さんたちが下手だと思った場合は、お客さんが卵を投げる文化がありました。その後、実際にエリザベス女王も卵を投げつけられたり、そして、チャールズ国王が皇太子時代にラトビアで、アフガニスタンの紛争に抗議したい少女に花で顔をひっぱたかれるようなこともあったりしました。

ただ重要なのは、そういった出来事が起きたときの反応なんです。やってはいけないことは暴力。2001年に当時のブレア首相の副首相だったジョン・プレスコットさんという方が、卵が顔に直撃して、投げた人に対して攻撃、殴打してしまった事件があって、それが一番よくないと。
ですから、チャールズ国王の対応は実に落ち着いていたので、ふさわしかったと。こういったところが、国民の人気を獲得すると思うんですよね。

小川キャスター：
ただ、卵ではなくて別の物だったら大丈夫だったんだろうかとか、直撃していたらどうなっていたんだろうとか、少しゾッとするところはありますけどね。今回の件に関しては、動じなかったチャールズ国王が返って利するような状況になったと言えるんでしょうかね。

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