【アメリカ】“賢いトランプ”知事が人気も…「ゲイと言ってはいけない法」めぐり“分断”加速
アメリカ中間選挙の投票日まであと8日。「賢いトランプ」とも呼ばれる“ある州知事”が過激な政策で人気を集めています。一方で、その政策が「教育」をめぐる親たちの分断を加速しています。
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今月22日、フロリダ州にある緑に囲まれた結婚式場に続々と車が集まってきました。土曜日の昼過ぎ、集会が始まる2時間以上前にもかかわらず、すでに会場の前には長い列ができていました。
数百人の支持者が待ち構えていたのは、フロリダ州のデサンティス知事。帽子を投げるパフォーマンスをしながら登場しました。
フロリダ州・デサンティス知事
「今、アメリカで最大の問題は、ワシントンで起きていること。つまり、バイデン政権の政策だ」
11月の中間選挙で2期目を目指すデサンティス知事。実は、野党・共和党内の次期大統領候補として、トランプ氏に次ぐ人気を誇っています。
トランプ大統領(2018年11月当時)
「デサンティスのことは昔から知っている。ハーバード大とイエール大卒の優等生、つまり賢い男なんだ」
以前は「トランプ派」のいち議員だったデサンティス氏ですが、4年前、トランプ氏の推薦を得てフロリダ州知事に当選すると、「反移民」や「反マスク」「ワクチン義務化への反対」など、過激な政策を連発して、知名度が急上昇しました。
支持者
「2024年の大統領選に立候補したら応援する。彼はトランプよりも若くてフレッシュよね」
エリートコースを歩んできた経歴などから“賢いトランプ”とも評され、フロリダ州の世論調査では、トランプ氏の人気を上回っているのです。その集会の参加者には“ある特徴”が…。親子連れの家族の姿が目立ちます。
フロリダ州・デサンティス知事
「子どもに何を教えるかは、親が決めるべきなんだ」
実は今、フロリダでは、デサンティス氏が推し進める「教育政策」をめぐり、親同士の対立が先鋭化しているのです。その要因の1つが、今年7月、デサンティス氏の肝いりで施行された「ゲイと言ってはいけない法」。LGBTQなど「性の多様性」について、小学校低学年以下の子どもに教えることを制限する法律です。
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今月下旬、海沿いの町・フロリダ州のベロビーチにあるレストランでは、平日の夜にもかかわらず、30人近い親たちが集まって議論していました。
「学校の図書室には、性的な内容を含む本は置くべきではないと言ったんです」
子どもに悪影響を及ぼすとして、性的な表現を含む本などを学校から撤去しようというのです。母親たちは、「ゲイと言ってはいけない法」などに違反する図書がないかを監視し、見つけた場合、学校や教育委員会に本を排除するよう迫っているのです。
一方で、こうした活動に危機感を抱く親もいます。
中学生の娘を持つアンジェラさんが先月、目にしたのは――
母親・アンジェラさん
「娘の中学校の学級図書です。本が全部裏返され『閉鎖中』と書かれています」
担任は、「違法となり得る本がないか、全てを調べるまで学級図書は使えない」と説明したといいます。
こうした過剰とも言える対応に、11歳の娘・バイオレットさんは「読みたい本を好きに選べないなんて、悲しいです」と話します。
母親のアンジェラさんも、「こんなのおかしいです。子どもには読みたい本を読ませ、心を刺激するべきです」と主張しました。
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トランプ氏やデサンティス氏が掲げる強攻策により、教育現場でさえ異なる意見を受け入れない“思想の分断”が深まるアメリカ。中間選挙の投票日まで、あと8日です。
(2022年10月31日放送「news every.」より)
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