【韓国・転倒】日本人女性も犠牲に 父親「電話つながらず」…“事故直前”映像を検証【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年10月31日)
ハロウィーン直前の週末でにぎわっていた韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)で、大勢の人が折り重なるように倒れ、154人が死亡しました。亡くなった日本人2人のうち、1人は北海道根室市出身の冨川芽生さん(26)です。30日、家族がANNの取材に応じました。
■転倒事故 154人死亡 日本人女性2人犠牲
ハロウィーン直前の29日、およそ10万人が殺到した韓国ソウルの繁華街「梨泰院」。事故が起こる前から、現場付近では、至る所から悲鳴が聞こえました。
群衆が折り重なるように倒れた大事故で、これまでに154人の死亡が確認され、そのほとんどが20代から30代だといいます。そのうち、外国人の死者数は26人で、日本人の女性2人の死亡も確認されました。
■亡くなった芽生さんの父親「電話つながらず…」
日本政府関係者などによると、亡くなったのは北海道根室市出身の冨川芽生さんと10代の女性だといいます。
芽生さんの父親が30日、取材に答えました。
芽生さんの父親:「朝のニュースがあって、電話しても出なかったものですから。しばらく掛けていたら、韓国の警察官が出たんですよ。現場に、娘のスマホが落ちていたと…。日本語しゃべれない感じだったので、やり取りして。僕の名前とか教えたんですよね」
ニュースで事故を知ったという父親。事故当日に芽生さんと連絡を取っていました。
父親:「きのうは友達と出掛けるっていうのは、ラインがあったものですから。フランス人の友達と、どこかに出掛けるっていう連絡はあったんですね」
その後、事故が発生。芽生さんと連絡が取れない状態が続いていました。
父親:「夕方ですね。写真を送ってほしいっていう、外務省から連絡があったみたいで、家に。娘の写真、送ったりしていたんですけれど。5時すぎかな、指紋が一致しましたっていう…最終的な連絡がきました」
事故から一夜明けた30日、父親に芽生さんの死亡が確認されたという連絡が入りました
父親:「いやずっとね…どっかね…連絡取れなかったから、病院にでも入っているのかなという感じでいたんですけどね。連絡こなかったからね。最終的にこんな感じになってしまいましたね」
芽生さんは、5年前に札幌の専門学校を卒業。
父親:「しばらく会ってなかったからね…。去年、東京に用事があって行った時は、向こうでね、会ったりしてたんですけれど」「(Q.その時の様子は?)元気でしたよ」
高校時代から韓国語の勉強をしていたという芽生さん。今年6月からは韓国へ語学留学。夢がかなった矢先の出来事でした。
父親:「韓国に行きたいっていう思いがあったものですから。色々、韓国の勉強したりもしてましたから」「(Q.好きな文化とかあったから?)色々あったんじゃないですかね、ずっとね。高校時代から韓国好きだった」「僕には直接こないけど、妻のほうとは、よく連絡し合っていましたね。明るくて、良い子でしたよ」「今、外務省のほうでパスポートを手配してくれていますので、まず早く会いたいっていうのがありますからね」
■救助難航…至る所で心臓マッサージ行われる
ハロウィーンでにぎわいを見せる、韓国ソウルの繁華街「梨泰院」。
しかし29日夜、にぎわいが悲鳴へと変わりました。
日本語で助けを呼ぶ声。群衆から脱出するため壁をよじ登る人の姿もありました。
韓国メディアは、人気ユーチューバーが現場付近のクラブを訪れたため、その姿を一目見ようと多くの人が集まったと報じています。
事故が起きる前の坂道の映像です。この直後、事故は起きます。
坂道の中で行われる下敷きになった人の救出作業。パニック状態の中、助け出そうとしますが、折り重なる人の重さで救出できません。状況が変わらないなか、時間だけが過ぎていきます。
至る所で行われている心臓マッサージ。
高い建物から撮影された映像には、大勢の救助隊員が一斉に心臓マッサージをする姿がありました。
人手が足りないのでしょうか、仮装をした人も加わります。
現場に居合わせた人は、次のように話しました。
現場に居合わせた人:「足を踏めないくらいの人混みでした。大勢の人が運ばれていました」「自由に移動できませんでした。押されて進む感じでした。一歩も進めないほど混雑していました」「無理やり入り込まないと前に進めない状況で、一歩進むごとにもみくちゃになる混雑ぶりでした」
■“幅3.2メートル”繁華街の下り坂に殺到
事故が起こった梨泰院は、ソウル中心部の繁華街で、現場周辺にはクラブやバーなどが点在しています。
事故現場は駅前の梨泰院通りから一本横に入った路地で、道幅はおよそ3.2メートル、長さ40メートルほどです。
この通りは、梨泰院通りと飲食店が立ち並ぶ世界グルメ通りを結ぶ道となっています。
事故当日現場付近にいた人:「駅から一番近いんですね。真ん前が駅、もしくは真下が駅というイメージなので、人の流れとしては一番使われる感じですね」
事故が起きた通りは、飲食店が立ち並ぶ世界グルメ通りから梨泰院通りに向かって下り坂になっているのが分かります。
事故当日現場付近にいた人:「坂になっているんですけれども。そんなに急かって言われると、別に負担になる坂ではない」
一体なぜ、この場所で大惨事が起きたのでしょうか?現場周辺で撮影された映像を検証して見えてきたものとは?
■検証 事故3時間前から“現場異変”
撮影者:「すごいことになってるぞ。これどうなんですか。渋谷のハロウィーンに行ったことある人います?こんな感じなのかな?」
事故が起きるおよそ3時間前に現場付近の通りを撮影した映像です。
撮影者:「ここから世界グルメ通りと言って梨泰院のメインストリートです。ちょっと上からカメラ持ち上げますね」
韓国では3年ぶりに新型コロナの規制が緩和されたハロウィーンということもあり、仮装をした多くの若者でにぎわっていました。
撮影者:「日本のキャラクターがいっぱいいるんですよ。今のところ判別できたのが、さっきドラゴンボールがいましたね。あとワンピース、エースとルフィがいました」
この付近は人気ドラマ「梨泰院クラス」の舞台にもなっている観光客に人気のスポットです。
撮影者:「今、画面の真ん中らへんの壁に白い羽の画があると思うんですよ。あれロケ地です。っていうか進めません」
通りの中心まで行くと、逆方向から来る人もいて思うように進めなくなっていきます。
撮影者:「完全に牛歩戦術…」
そして、事故のおよそ2時間前、現場となった坂道の入り口近くでは…。
撮影者:「左に行きたいんですけど、もう戻れないかも。なんか横道に押し出されました」
この押し出された横道というのが、大勢の人が殺到して事故が起きた坂道です。
撮影者:「ここからはちょっと余裕が出ましたので…」
この時、坂道は人が多いものの、まだ歩ける状態でした。
■事故1時間前…群衆が左右に揺れ「戻れ」
午後8時半ごろ、地下鉄梨泰院駅の出入り口付近では、地下鉄から続く階段を次々と人が上がってきます。
撮影者:「すごいですね。こんな感じですよ」
道は、すれ違うのも難しいほど混雑しています。
撮影者:「行きたい所に行こうとしているんですが、なかなか進みません」
そして、事故発生の1時間前、撮影者は再び現場近くの世界グルメ通りに行きました。
撮影者:「ここ行くかぁ」
この時点で、すでに人が密集し、身動きが取れない状態になっていました。
撮影者:「なんか騒いでる、騒いでる」
響き渡る悲鳴…すると次の瞬間、群衆が左右に大きく揺れます。
撮影者:「なに、なに、なに。なんか人混みに押されてるんですけど、なんですかこれ」
人が殺到し前に進めません。しかし、後ろからは人の波が押し寄せ、全員、身動きが取れない状態になります。
危険を知らせるため、手を振って合図を送る男性。
男性:「Go Back(戻れ)」
女性は強く押され苦しそうに顔をゆがめています。
そして、事故現場となった坂道でも身動き取れない状態となっていました。
撮影者:「本当にギュウギュウで。『ストップ!ストップ!』と言っている人とか、怒鳴り散らしている人もいましたし、悲鳴とかも聞こえてましたね、ずっと」
そして、この1時間後…。
■事故発生から時間経っても…次々と搬送
下敷きになった人の手を取り、ひっぱり出そうとする救助隊員。大勢の人によって行われている心臓マッサージ。
救助隊員がストレッチャーに乗せられた人たちを次々と搬送していきます。
発生からかなり時間が経った午前2時半すぎも、いまだに担架が運ばれていきます。
■「両側から人の波が…友人を失った」
事故から一夜明けた30日、現場には献花台が設けられ、多くの人が花を手向けていました。
献花に来た女性:「私はこの近くに住んでいますが、あまりにも胸が痛んで…。子を持つ母として同じ気持ちになったので献花に来ました」
家族や友人の安否を確認しに来た人は…。
行方不明者を捜す女性:「まだ捜せていません」「(Q.リストには?)確認しましたが、行方不明者リストの中にはありませんでした」
事故当時、友人3人と梨泰院を訪れていたオーストラリア人は…。
韓国在住のオーストラリア人:「両側から人の波が来ました。人々は…私は友人を失ってしまいました。救急隊が到着するのに、すごく時間がかかりました」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年10月31日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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