“見せたい中国”猛アピール 共産党メディアツアーに参加してみると…AIキャスターや自動運転車｜TBS NEWS DIG
あす、閉幕する中国共産党大会。党大会に合わせ、現地では、国内外の記者らを対象に多くの「メディアツアー」を行っています。そこからは、「中国が見せたい中国」の姿が浮かび上がります。
こちらは、共産党大会を取材する記者が集まるメディアセンター。目を引くのは…
AIキャスター
「（きょうの北京の天気は？）10月14日金曜日、北京は曇りのち晴れです」
これは、「AIキャスター」。世界各国から集まる記者に今の「中国」をアピールしようと、党は今回、多くの「メディアツアー」も用意しました。
記者
「今、動き始めましたね。見てください。運転席には、誰も乗っていません。ハンドルだけが回っている状態です」
この日のツアーの行き先は、中国のIT大手「百度」が開発した自動運転の車の試乗会。参加した韓国の記者は…
韓国のテレビ局記者
「韓国では、公道で自動運転車を見ることはないですが、北京では自動運転のタクシーを見るし、乗ることもできます。驚きました。中国政府は、技術の発展をアピールしたいという狙いなんでしょう」
別の日のツアーは、北京郊外にある水素開発に特化した工業団地。2060年までのカーボンニュートラル=温室効果ガスの排出ゼロを宣言した中国が今、力を入れる分野です。
記者
「これから私たちは、船に乗ります」
北京市内の運河をめぐるクルーズもありました。
北京市通州区の担当者
「十数年前、地元の人たちは川の悪臭を訴えていましたが、水質管理に何年も取り組み、大きく改善されました」
水質改善をアピールしたいようです。
運河の両岸には、高層ビル。ここは、北京副都心として開発が進む場所で、「環境と経済発展の両立」もまた、アピールポイントでした。
実は、こうしたテーマは全て党大会での習近平国家主席の演説に盛り込まれていたものばかり。さらに、遠方から「招待」された記者たちもいました。
南米エクアドルの記者
「中国との経済的な関係は、重要です。今は、政治や人権などの問題よりも経済が大切なのです。なぜなら、ラテンアメリカは貧しい地域ですから」
アフリカ・マリの記者
「中国の発展が目覚ましくて驚きました。党大会後、どのように人々の生活を向上させようと考えているのか聞いてみたい」
中国 習近平国家主席
「我々は、中国の特色ある大国外交を全面的に推し進めた」
欧米とは一線を画した、独自の世界秩序を引き続き広めていく考えを示した習近平主席。中国の主張を世界に発信し、国際社会で味方を増やしたい。そんな狙いが透けて見えます。
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