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【ナゼ一転?】“統一教会”解散命令請求…「民法の不法行為も」 首相“聞く耳”発揮?
“統一教会”の解散命令請求をめぐり、岸田首相が19日、前日の答弁を一転させました。請求の要件として民法の不法行為は対象に「入らない」としていましたが、一夜で「入りうる」に修正しました。この背景や周囲の反応、請求の行方について考えます。
■過度な献金や霊感商法は?…答弁修正
有働由美子キャスター
「いわゆる“統一教会”の解散命令請求の要件について、岸田首相は18日、『民法の不法行為は入らない』と答弁していましたが、19日になって『入りうる』と述べました」
「過度な献金や霊感商法の被害などは対象にならないとしていましたが、やはり対象になるかもしれない、ということです。一夜で答弁を修正した岸田首相ですが、なぜでしょうか?」
■根拠法に「刑法」「刑法」明記なし
小栗泉・日本テレビ解説委員
「そもそも、解散命令について定めている宗教法人法には、『法令に違反して』などと書いてあるだけで、刑法とも民法とも明記はされていません」
「ただ、これまで解散命令が出されたのは(地下鉄サリン事件などの)『オウム真理教』と(霊感商法詐欺事件の)『明覚寺』の2例のみです。いずれも、幹部が刑事で有罪判決を受けました」
「政府関係者によると、文化庁はこれらの過去の判例にこだわっていたということで、岸田首相は『民法は入らない』と答弁しました」
「ただ、野党の追及などを受け、首相周辺によると18日夜に法務省の専門家らと協議し、『幅広い判例を含めた方がいいだろう』となり、答弁を一転させたということです」
■「聞く耳」発揮?…周囲の反応は
有働キャスター
「一夜にして見解が変わるというのは異例のことですよね」
小栗委員
「その通りです。ある政府関係者は『首相本人の考えがコロコロ変わりすぎて周辺も困っている。解散命令請求についてやる気がないと見られるのを嫌った』と話しています」
「ただ首相周辺は『被害者のことを考えれば、民事も含めた方が良いという判断になった』と説明しています。その意味では、国会での議論を踏まえて、首相が『聞く耳』を発揮したと言えるのかもしれません」
■「解散命令請求」今後どうなる?
有働キャスター
「となると、もう解散命令を請求する方向に向かっていくのでしょうか?」
小栗委員
「ある自民党幹部は『解散命令請求までいくと思う』、官邸関係者は『ここまで来た以上、もう解散命令請求をするしかなくなった』と話すなど、政府や自民党の中では、解散命令請求に踏み切らざるを得なくなったという見方が広がっています」
「ただ、そうした状況に首相周辺からは『解散命令を出そうと集団ヒステリーみたいなことになっているのがちょっと不安』という声も聞かれます。また、もし請求が出されたとしても、実際に解散命令を出すかどうか、最後に決めるのは裁判所です」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「“統一教会”の教えの構造上、被害が家庭の中で深刻化しやすく、表に出てきづらいと思うので、刑事より民事でないと対処できない事案が多いのではないかと思いました。国の姿勢を見せることで抑止力にもなります。今回の答弁に意味はあるのではと思います」
有働キャスター
「最も大切なのは、これまで被害にあった人を救い、新たな被害を生まないことです。朝令暮改が必ずしも悪いとは思いませんが、行き当たりばったりにならないよう、ベストな答えを政治が突き詰めてほしいと思います」
(2022年10月19日放送「news zero」より)
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