【アパレル業界の戦略】“価格据え置き” ワークマンやジーユーが発表 “値上げの波”の中で…
生活に関わる多くの物が値上がりする中、アパレル業界の戦略に“ある変化”が生まれています。人々の節約意識が高まる中、各メーカーが“低価格”にこだわり、“価格据え置き”を発表しています。
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14日、“ワークマン女子”で注目される低価格なウエアなどを扱うワークマンの秋冬の新作発表会が行われました。
雨や汚れに強い男性用のウエアを記者が体験してみると…
記者
「ものすごい雨と風ですけど、中には全然しみこんでいないです」
中のシャツはぬれていませんでした。
そして、会見では“ある戦略”が発表されました。
ワークマン 土屋哲雄専務取締役
「価格戦略に関する重大発表ということで、価格を据え置きしています」
主力のプライベートブランドのおよそ96%について、来年8月まで値上げしないと、“価格据え置き”宣言をしたのです。ただ、円安・原料高・輸送費高騰の“三重苦”の中、“価格据え置き”には苦労が…
ワークマン 土屋哲雄専務取締役
「綿の価格が1年半で2倍になり、為替が2割以上悪化している。円安になったから(店頭価格を)2割上げるというのは、ワークマンのミッション、会社の存在理由に反する」
原材料費が上がっているものの、“低価格にこだわる”姿勢を貫くというのです。
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円安の影響やコロナ禍で外出が減ったことで、苦戦を強いられるアパレル業界。コロナ禍で破綻したアパレル関連の企業は300件にのぼるといいます。
実際、街の人に最近、服を買ったか聞いてみると…
40代
「買ってないです」
30代
「減りました、すごく。あんまり外出することなかったので」
働く女性に対し行ったあるアンケートでも、コロナ禍以前と比べ、1か月の服にかける費用の平均が半額以下にまで減っていることがわかりました。
■1か月の服にかける費用(出典:株式会社ジーユー)
コロナ禍以前 平均1万2291円
コロナ禍中 平均5882円
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こうした逆境の中、ジーユーも12日、主力商品の多くで“価格据え置き”を発表しました。
ジーユー 柚木治社長
「お客さまの財布のひもは固くなったまま。だから(価格を)据え置く」
生活に関わるあらゆるモノが値上がりし、“節約意識”が高まる中だからこそ、低価格を維持し、あらゆる世代に服を買ってもらいたいという狙いがあるといいます。戦略の最大の特徴は、“誰もが着こなせること”。トレンドをおさえたデザインでありながら、着心地も追求。実用性のある商品を展開するといいます。
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“お手頃価格”で勝負する動きは、百貨店にまで拡大しています。
高島屋・クロスメディア事業部 長井文典次長
「こちら、コートが税込み1万2980円でございます」
高島屋がネットやカタログ通販で先週から販売を開始した1万2980円のコートです。
記者
「軽くてふわふわですね。動きやすいです」
脇の部分に切り替えがあるため、すっきりとしたシルエットにみえる工夫が施されています。
高島屋・クロスメディア事業部 長井文典次長
「コストパフォーマンスの高いアイテムを展開すれば、お客さまの支持を得られると」
売り上げも好調だといいます。“百貨店品質”にもかかわらず、“お手頃価格”が実現した訳は…
高島屋・クロスメディア事業部 長井文典次長
「価格高騰の影響をできるだけ抑えるために、およそ1年強前に、もう生産を開始しておりまして」
円安の影響を受ける前に素材を確保したり、ネット販売にしたりすることで、人件費などのコストをおさえたということです。
(2022年9月14日放送「news every.」より)
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