【中国】五輪取材班が見た”コロナ対策” 国内では混乱も

【中国】五輪取材班が見た”コロナ対策” 国内では混乱も

【中国】五輪取材班が見た”コロナ対策” 国内では混乱も

北京冬季オリンピック開幕まで、3週間あまりとなりました。中国は、新型コロナウイルスの感染拡大を警戒し、厳戒態勢をしいています。メディアも徹底的に隔離する中国の「バブル方式」とは、どのようなものなのでしょうか。

12日、北京の空港で、東京から到着したオリンピックの取材クルーが案内されたのはパーティションで仕切られた専用通路。先に進むと防護服姿の一団が現れました。空港のスタッフたちです。

記者
「PCR検査を受けて入国して、これからバスに乗ってホテルに向かいます。防護服を着た係員の人たちが待っていて、案内をしています」

海外の選手らと一般客を隔離する「バブル方式」が到着直後の空港から始まっていました。

専用のバスに乗り込むと、運転席との間には透明な仕切りがありました。仕切りは、消毒液で真っ白になっていました。

バスは滑走路の近くから出発し、直接市内へ向かいました。一般客がいる到着ロビーには寄ることはありません。

バスは警察車両がエスコートし、途中、一般車両が近づかないよう交通規制も行われていました。

大会期間中、選手などを乗せる車専用の車線があり、交通当局は、市民にオリンピック関係者を乗せた車の事故を目撃しても、直接救助しようとはせず警察の到着を待つよう求めています。

東京大会を超える厳戒態勢を敷く中国。

ホテルの敷地は壁で囲まれ、大会期間中、選手やメディア関係者などは一歩も街中に出ないよう厳しく管理されます。

ホテルの中では、ロビーで消毒のロボットが動き回っていました。「疫病期間中です。マスクをつけましょう」と中国語で呼びかけていました。

食堂でもロボットが調理していました。記者がチャーハンを頼むと、できあがった料理は天井を通ってロボットによって天井からおりてきました。

無人化で接触を減らそうとしていました。

習近平国家主席は「コロナ対策は五輪最大の試練だ。最大限努力せよ」とコロナ封じ込めの徹底を指示しました。

中国では西安などの大都市がロックダウン。北京の隣、天津でも市民全員のPCR検査が行われています。

西安では、外出した市民が“公開謝罪”していました。

外出した西安市民
「皆様、大変申し訳ありません。何度も外出してしまいました。理由は家に食べ物が無かったからです」

さらに、西安市内の病院では──

西安市民の女性
「父は死にかけているのよ。(面会するのが)なぜ、むちゃだって言うの!?」

女性の父親は心臓の病気でしたが、コロナ対策を理由に診療が遅れ亡くなったといいます。

市民生活への影響が大きくなる中、西安に住む女性記者は中国の「ゼロコロナ政策」を批判する異例の文章を発表しました。

西安在住記者 江雪さんの文章
「(権力側は)勝利のために代償は惜しまないというが、庶民は代償なのか」

市民の不満がくすぶる中、国家の威信をかけたオリンピックにむけ、コロナを封じ込めようとしています。
(2022年1月13日放送「news every.」より)

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