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【解説】「猛暑日」より辛い…40℃以上は「なに日?」 30℃以上の夜は「超熱帯夜」に命名
連日、各地で猛暑日となる暑さが続いていますが、日本気象協会は、40℃以上の異常な暑さについて、「新たな呼び方」で注意を呼びかけようとしています。
「『40℃以上』 何と呼ぶ?」
「全国初の猛暑日は?」
「猛暑日知らずの街」
以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。
■“全国初” 2007年に猛暑日を記録したのは?
これまで、当たり前のように連日、猛暑日となっていますが、そもそもこの「猛暑日」というのは、気象庁が2007年にさまざまな気象用語を改訂した時に作られた用語で、歴史は浅いのです。
では、その2007年に35℃以上を観測し、全国で初めて「猛暑日」と呼ばれた場所はどこでしょうか?
正解は、大分・豊後大野市。2007年5月27日に36.1℃が観測され、猛暑日と呼ばれた最初の地点です。
地元の気象台によると、豊後大野市は盆地なので、暖かい空気が滞留しやすくなって、夜も気温が下がりにくいということです。
■「猛暑日」よりキツい… 40℃以上は「酷暑日」
現在、気象庁は、25℃以上を「夏日」、30℃以上を「真夏日」、35℃以上を「猛暑日」と定義しています。ただ40℃以上の場合は、特に呼び方が決められていません。
そこで、気象情報を提供する日本気象協会が、所属する予報士130人からアンケートを取って、今月新たに発表しました。40℃以上になった場合は、「酷暑日」とすると呼びかけています。
さらに気象庁は、最低気温は25℃以上の夜を「熱帯夜」と定義しています。しかし、30℃以上の夜については名前がなかったため、日本気象協会は「超熱帯夜」とすると呼びかけています。
日本気象協会は「暑さへの関心を高め、熱中症予防をより強く呼びかけたい」という目的で、この名称を考えたといいます。
■125年間で8回→最近約20年は59回 40℃以上が急増
日本気象協会によると、これまでに国内で40℃以上を観測したのは、1875年の統計開始から2000年までの125年間でわずか8回でした。
ただ、2001年以降の約20年間では、59回も観測しました。観測の精度が上昇したことも考えられますが、確実に増加しているのです。
特に2018年以降は、40℃以上を毎年観測していて、国内の歴代最高気温は41.1℃。埼玉・熊谷市で2018年、静岡・浜松市で2020年に観測されました。
そして、今年もかなりの暑さになりました。記録的な早さで梅雨明けしたこともあって、6月の群馬・伊勢崎を皮切りに、群馬・桐生、山梨・勝沼、埼玉・鳩山など6地点で、40℃以上の酷暑日を8回観測しました。
今年の最高気温は、群馬桐生で観測した40.4℃でした。いつ歴代国内最高の気温を塗り替えてもおかしくありません。
日本気象協会は「酷暑日や超熱帯夜の時は、特に熱中症対策を、より万全にしてほしい」と話しています。
■札幌、東京、那覇 暑さ逃れるなら?
こうした中、「夏休みは感染対策をしつ、避暑地に行きたい」という人も多いですが、昼間に猛暑日を避けて、涼しく過ごせる場所はどこでしょうか。
1.北海道・札幌 2.東京都心 3.沖縄・那覇
この中で猛暑日の観測が一番少ない地点は?
実は、沖縄・那覇なんです。
過去30年間に猛暑日を観測した日数を数えると、16日も含めて東京都心は175回、札幌は7回、那覇は5回でした。那覇の猛暑日が札幌より少なくなっていますが、那覇は海に囲まれて海からの風が常に吹き込むことで、空気が適度に冷やされる環境があるため、猛暑日が少ないということです。
■30年間猛暑日“ゼロ” 1都3県で“唯一の場所”は?
都心から近い場所でも、猛暑・酷暑を避けられる地点があります。1都3県の中では島しょ部を除き、36の観測地点がありますが、
では、問題です。数えてみたところ、ここ30年間で猛暑日になったことがない「唯一の地点」がありました。その地点は、千葉・勝浦市です。
勝浦では、統計開始以降、一度も猛暑日になったことがなく、歴代最高気温は約1世紀前の1924年に観測された34.9℃だったということです。今年一番暑かったのは、8月10日に観測された31.2℃でした。地形的に海水温の影響を受けやすいため、夏でも涼しいそうです。近場の意外な避暑地に出かけるのも、いいかもしれません。
気象庁の3か月予報によると、この後も9月にかけて東日本・西日本などで気温が高くなり、残暑も厳しくなる見込みです。8月も後半に入りましたが、まだまだ熱中症に警戒が必要です。猛暑日を超える「酷暑日」も心配されるため、暑い時は無理をせず、エアコンを活用し、こまめに水分を取るなど、対策を徹底しましょう。
(2022年8月16日放送「news every.」より)
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