【宇宙飛行士】なぜ?ロボットではなく人間が宇宙へ
(榎本)
ここからは宇宙飛行士を目指す皆さんから質問をあずかってきました。まずひとつ目です。
■質問1 誰に向けての「発信力」?
(榎本)
今回の募集で重要視されている「発信力」。これはどのような人たちに向けて発信することを想定しているのでしょうか。
例えば、一般の人たちに向けて宇宙開発の理解を得ることや、宇宙に興味を持ってもらうことが目的であるとか、研究者や技術者に向けて月面での人類活動や、もっと遠い星の探査のための技術発展の協力を得ることが目的であるなど、具体的なものがあればお聞きしたいです。
(川崎)
今挙げていただいた方々は、当然全員含まれるんですが、加えて言うと宇宙と全く関係ないと思っている方々に是非、宇宙の素晴らしさを伝えてほしいと思っています。
(榎本)
だから、ある意味、地球上にいる皆さんに向けてということですね。
(川崎)
その通りです。
■質問2 今どんな宇宙飛行士が足りていない?
(榎本)
すでに国宝ぞろいの宇宙飛行士が、これまで選ばれてきましたが、まだこれが足りないかな、この分野の人が欲しい、こういう性格の人が欲しい、または、今足りていないなど、足りないというふうに思われることについてうかがいたいです
(川崎)
はい、今足りていないのは女性の宇宙飛行士です。いまは、一人もいません、というところですので。
(榎本)
シンプルな答えでした。女性の宇宙飛行士を望むということですね。
(川崎)
はい。
■質問3 JAXAは宇宙飛行士選抜を通じて何を目指す?
(榎本)
わかりました。では、3問目です。JAXAとしては、この宇宙飛行士選抜を通して何を成し遂げたいですか?どういった社会現象を起こしたいですか?合格、不合格関係なく挑戦する方々に、選抜以後はどのようなことを期待されていますか?
(川崎)
今回挑戦していただく方には、いろんな方がいると思うんですけども、その参加していただいた方というのは、我々としては、もう宇宙開発の仲間だと思っているので、この試験を通じて得た経験であるとか、あるいはJAXAに対してもった印象であるとか、宇宙開発に対する印象とかそういったものを、ぜひ皆さんに伝えてほしいなと思っています。
そうすることが、結局は宇宙開発を盛り上げることになりますし、我々としては非常に心強いと思っていますので、ぜひ仲間になってほしいと思います。
(榎本)
試験にチャレンジした人は、もうみんな仲間ということなんですね。選抜でどこまで進むことができるかは、分からないですけれども、まず最初チャレンジしていただきたいと思いますね。
(川崎)
はい。
■質問4 なぜロボットではなく人間が宇宙へ行かなければいけないのか?
(榎本)
では、最後の質問です。今後多くの人が、ISSや民間の宇宙ステーション、またISSより先の宇宙で旅行などをする未来が想定されます。その先駆けとして宇宙飛行士が、宇宙へ行き、環境作りをしていくことが必要かと思いますけれども、その時の職業宇宙飛行士の仕事について、特にロボットではなく、人が行く理由を教えてください。
(川崎)
はい、もちろんロボットでできることもたくさんあるんですね。人の命をかける必要はないので。ただ、ひとつだけできないことは、さっきの発信力につながるんですけど、そこで感じたことを、どういう感情を持ったかっという。その感情の部分というのは、ロボットではできないんですよね。ですから、それはぜひ地上に持って帰っていただいて、我々と共有していただきたいというところです。それがさっきも言いましたけれども、地球社会へのインパクトになる、つながるというふうに思っています。それは物質だけでなくて、精神的な面も含めてですね。そういったところを期待しております。
(榎本)
ありがとうございます。発信力、表現力が求められるというのはいろんなところで目にして分かってはいたつもりですけれども、具体的にどんな発信力、表現力を求めているのかが、ちょっと見えてきたような気がしました。今日は、川崎さんありがとうございました。
(川崎)
ありがとうございました。
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