【最低賃金】31円引き上げも…ほとんどの地域で政府の目標“1000円”届かず
厚生労働省の審議会は、今年度の最低賃金の引き上げ額を31円とする目安を決定しました。一方、働く人からは切実な声があがっています。保育園児の娘と暮らすシングルマザーに話を聞きました。
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シングルマザーのみおさんは、埼玉県で保育園児の娘と暮らしています。
シングルマザー みおさん
「基本的に仕事がある日は、仕事終わって、ご飯と寝かせるのとお風呂と、やるべきことだけでいっぱいいっぱいだから」
子どもを1人で育てていて、夜勤や長時間労働はできないため、パートとして介護施設で働いています。
時給は1000円。埼玉県の最低賃金956円は上回っていますが――
みおさん
「4月からのお給料…自分で見ても笑っちゃうほど低い」
見せてくれたのは振り込まれた給料額。娘の世話もあり、勤務時間が限られるため、月収が10万円に届く月は少ないと言います。
みおさん
「(コロナによる)休園とかで(仕事を)休まざるを得ない形になっているので、ダイレクトに給料に響いているのが、今の現状」
苦しさに追い打ちをかけるのが物価・エネルギー価格の高騰です。電気代とガス代は去年の約1.4倍になり、洋服やおもちゃを譲ってもらうなど、できるところで節約し、やりくりしています。
みおさん
「やっぱり賃金そのままで、節約って言葉を理解しない子ども相手に生活するのって、意外と知恵がいる」
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賃金の引き上げが望まれる中、厚生労働省の審議会で1日夜、全国平均の目安について、31円引き上げ、961円とすることで経営側と労働側がようやく決着しました。
物価高の影響などを受け、過去最大の上げ幅となりましたが、目安通り引き上げられたとしても、ほとんどの地域で、政府が目標として示した1000円には届きません。
みおさん
「(パートに)なりたくてなった人以外もたくさんいるし、そういう環境にならざるを得なかった人がいて、もうちょっとお給料として還元していただけると、明るい目標が持てるのかな」
出口のみえない物価高や円安の中、働く人の安心できる賃金が支払われる環境をいかに作るか、課題が突きつけられています。
(2022年8月2日放送「news every.」より)
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