「恐怖心しかない」119番がつながらない 搬送困難だった乳がん経験者の女性 全国では18府県で病床使用率50％超（26日時点）｜TBS NEWS DIG
東京都できょう新たに発表された新型コロナの感染者は2万9036人でした。8日連続で2万人を超えました。救急患者の搬送先がすぐに決まらない事例が急増するなか、そもそも119番通報がつながらないというケースも起きています。
乳がん経験者の女性
「恐怖心しかなかった。大都会東京で、119番が現実的につながらなくなっている。これが現実なんだ」
「脂汗も出てきて、痛みは変わらず。歩けないです。痛くて」
東京・葛飾区に住む53歳の女性。今月18日、下腹部に激痛が走り、救急車を呼ぼうとしましたが…。
救急搬送が困難だった女性
「119番にかけたのに、話し中にもならずバチッと切られる。もう1回かけても切れる。母の携帯でも全く同じ。119番が繋がらない」
女性は8年前に乳がんで左の乳房を摘出し、今年9月には転移を防ぐために子宮の摘出をする予定でした。
救急搬送が困難だった女性
「全摘の手術を控えていることも踏まえて、何かあったらどうしようと。近くの消防署に電話してやっと繋がって、助けてくださいと泣きながら電話をかけて」
ようやく電話がつながり、救急車が来て安堵したのもつかの間。
救急搬送が困難だった女性
「何にも病院が決まらない。全部断られる。発熱外来がいっぱいなので受け入れができませんと」
救急車の中でおよそ2時間待ってようやく病院が決まったといいます。
救急搬送が困難だった女性
「もう無理なのかなと。耐えられない痛みです。明日まで耐えることしかできないかと」
女性は病院で治療を受け、大事には至りませんでした。
この日、東京消防庁では…
東京消防庁Twitterより
「119番通報が多数入電しているため、繋がりにくい状況です」
ツイッターでこのように呼びかけ、都内の救急車の出動率は95%を超えていました。
女性のように救急患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」は、今月に入って急増し24日までの1週間で6035件に上っています。医療はひっ迫していて、病床の使用率は18府県で50%を超えました。
大阪府では…
大阪府 吉村洋文知事
「本日（病床使用率が）50％を超えるということになる。本部会議で大阪モデル赤信号の点灯をさせます。医療が非常に厳しいという状況の中で、医療非常事態宣言を出す判断をします」
大阪府は対策本部会議を開き、あすから来月27日まで高齢者に不要不急の外出を控えることや、高齢者の同居家族などに対して感染リスクが高い行動を控えるよう要請することを決めました。
大阪府 吉村洋文知事
「高齢者の皆さん、やはりリスクが高いです。自分の身を守る観点から、リスクの高い行動は控えていただきたい」
各地で病床がひっ迫するなか、日本医師会の松本会長は…
日本医師会 松本吉郎会長
「全国的に医療機関は大変な事態となっております。今回の新規感染者数の増加はあまりにも急激であり、非常に困難な状況に置かれています」
日本医師会は特に外来がひっ迫しているとして、電話窓口の充実をはかり、適切な人を適切な医療につなげるようにしたいとしています。
午後4時から開かれた厚生労働省の専門家組織の会合で後藤厚労大臣は…
後藤厚労大臣
「新規感染者の急増で、発熱外来へのアクセスが大変難しくなっている」
後藤大臣は「重症化リスクが低いと考えられる人には、抗原検査キットを配り、自主的に検査してもらう体制を整備する」としています。
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