“全国旅行支援”延期 「夏休みどうなるか…」観光地から戸惑い(2022年7月14日)
オミクロン株の「BA.5」系統への置き換わりが進むなか、政府は「全国旅行支援」の延期を発表しました。行動制限は求めないとする方針もあり、観光地からは戸惑いの声も上がっています。
夏休みを前に頭を悩ますところです。
斎藤国土交通大臣：「現在の状況は全国旅行支援を実施する、そういう状況にはないと判断をした」
最大1万1000円を補助する全国旅行支援。今月前半から実施する予定でしたが、延期となりました。
ただ、“規制”はしない方針です。
“新型コロナ”担当・山際大臣「現時点では新たな行動制限を行うことは考えてはいませんが、感染拡大に適切に対応していく必要がある」
分科会が提言した5つの対策。そこに“制限”や“規制”の文字はありません。
“支援”はなし。“制限”もなし。個人の判断に委ねられることになります。
栃木からの観光客：「今回それ（支援）があるから（旅行の）きっかけになる」
千葉からの観光客：「青森のねぶた祭り、キャンセルした」
観光地には顕著に“第7波”が忍び寄っていました。
「揚げもちおろしうどん」が名物の店。行動制限のないゴールデンウィーク、記録的なにぎわいを見せた町は一変しました。
栄屋うどん・浅見幸男店主：「一日の客の数が新記録出たぐらい。大変なにぎわいのGWだった。本当にびっくりしている。ここまで急に客、減ってしまったので」
GoToトラベルのクーポンなどで潤った店。その“支援”の延期に不安を抱えています。
栄屋うどん・浅見幸男店主：「（以前は）100％といっていいくらいクーポン、クーポンだった。『延期』になったことはこの先、夏休みどうなるのかと不安になる」
“支援”がなく旅行が減るのか。“制限”がなく変わらないのか。観光客はどう動くのでしょうか。
ホテル一井・手島悟支配人：「（感染が）拡大しているなかで、首都圏の人からのキャンセルはちょっと増えてきたかなと感じています。一日に数件はキャンセルという形で来てますね」
草津温泉にある旅館。旅行支援があれば、こちらの部屋も8000円安く泊まれるだけに、支援なしの影響は大きいようです。
ホテル一井・手島悟支配人：「どこまでたくさんのお客さんでにぎわう夏になるのかなと正直、期待していました。行動制限はもう出してほしくないというのは正直な気持ち。また寂しい草津温泉の街を見るのかなというのは心配ではあります。そうならないようにしたいと本当に思っています」
ただ、県民割・ブロック割は8月末まで延長。知事も行動制限には否定的です。
群馬県・山本一太知事：「現段階では行動制限を行わず、十分に地域経済活動を回していける状況だと考えています」
すでに“第7波”真っただ中ともいえる県がありました。
島根県在住・感染した男性（40代）：「7月入ってから5年生の子がなって学級閉鎖になったと聞いた」
島根県です。これまでの波の最多人数を大きく超え、保健所の対応も追い付いていません。
島根県在住・感染した男性：「自宅で隔離、狭い家に住んでいるので（家族に）うつる」
島根県に住む40代の男性。家族3人が感染し、自宅療養をしています。10日に39度の熱が出て陽性が判明。入院する選択肢はなかったようです。
島根県在住・感染した男性：「（保健所から）『自宅療養になった』と開口一番で言われた。『療養の過ごし方、郵送します』と。いまだに郵便物は届いていません」
観光地も支援の延期もやむをえないとしています。
松江市内と宍道湖を結ぶ観光船。花火でにぎわう一番の稼ぎ時を前に、肩を落としています。
宍道湖観光遊覧船・上谷繁夫社長：「キャンセルがぼつぼつ出始めている。マスクしているし、どうしてこんなに増えるのか教えてほしい」
医療現場に、そのヒントがありました。
島根県出雲市にあるクリニック。独自に検査機器も導入、発熱外来も設けましたが、急増する療養者療養者に追い付ける状況ではありません。
中島医院・中島洋平副院長：「6月中旬までは、発熱外来希望される患者は10人程度だったが、7月初旬に入り、一日30から50人が発熱外来を受診した。何とかやってはいるが、断らなければいけないこともある」
島根の現状は15日の全国の状況を映し出すものなのでしょうか。医師はある原因を指摘しています。
中島医院・中島洋平副院長：「BA.5が島根県で77％以上の人で検出されている。それが確実に原因になっている」
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
