「気持ちの整理がつけられるかわからない」船体を見て涙…乗客家族らに公開 知床観光船事故|TBS NEWS DIG
北海道知床半島沖の沈没事故で、海底から引き揚げられ、作業船の上に載せられていた観光船「KAZU I(カズワン)」がきょう、港に陸揚げされました。
記者
「午前7時17分です。沈没事故から1か月以上、『KAZU I』がゆっくりと陸揚げされていきます」
「人が歩くようなスピードでゆっくり保管場所に向かっていきます。小型観光船舶になりますが、近くで見るとやはり大きさを感じます。今、外れていたとされていた手すりがクレーンで運ばれます」
岸壁から保管場所までおよそ400メートルを1時間ほどかけて移動。
記者
「『KAZU I』の船底がここから確認できます。船底にはひびのようなモノが見えます」
さらに、再びクレーンでつり上げられると…
記者
「『KAZU I』の船底がはっきりと確認できます。後ろ側の船底に穴のようなものが見えます」
船尾側にも傷のようなものが見えました。船の底には、あわせて3か所の穴や傷が確認できました。
乗っていた14人が死亡し、いまだ12人が行方不明のままとなっている「KAZU I」。あの日から39日。乗客の家族が事故後、初めて船と向き合いました。
記者
「午後2時半です。乗客の家族を乗せたバスが『KAZU I』の保管場所に到着しました」
午後2時半すぎ、白い囲いの向こうでは乗客の家族の要望で船体が公開されました。参加したのは、9家族27人。船尾の近くには献花台も設けられたということです。捜査中の船体が公開されるのは、異例の対応です。
立ち会った海上保安庁職員
「ほぼ(すべての家族が)献花していた。最初に見た時は、かなりつらかったと思う。涙を流している人もいた。途中からは冷静になってしっかりと船体を見ていた人も多かったと思うし、最後まで涙を流しながら見ている人もいた」
「KAZU I」の公開について、乗客家族のひとりはJNNの取材に対し「事故のあった日から時は止まったままです。『KAZU I』を見ても気持ちの整理がつけられるかわからない」と話しています。
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