「最もリスクがあるのは乳幼児」 “マスク着用”が子どもたちの発達に影響か 試行錯誤続く教育現場から上がる疑問と不安【報道特集】|TBS NEWS DIG

「最もリスクがあるのは乳幼児」 “マスク着用”が子どもたちの発達に影響か 試行錯誤続く教育現場から上がる疑問と不安【報道特集】|TBS NEWS DIG

「最もリスクがあるのは乳幼児」 “マスク着用”が子どもたちの発達に影響か 試行錯誤続く教育現場から上がる疑問と不安【報道特集】|TBS NEWS DIG

政府が2歳以上の未就学児のマスク着用を「一律には求めない」と方針転換するなど、“脱マスク”をめぐる議論が始まった日本。こうしたなか、大人のマスク着用が子どもの発達に影響するのでは、という声もあがり、現場では試行錯誤が続いています。

■「違和感がある」「1人だけ外れ」マスク着用について子どもたちは・・・

教育現場でも、マスク着用について頭を悩ませている。5月20日、千葉県・柏市の小学校を訪れると・・・

教員
「マスクについては暑いな、苦しいな、と思ったら外して構いません。ただマスクを外した時の過ごし方は、距離を置いて、大きな声で喋らない」    

始まったのは運動会の練習。この学校では19日から、特に運動の際など、熱中症に気をつけるよう積極的に伝えている。運動の際のマスクについて、子どもたちに聞いてみると、口々に「苦しい」「マスクしていると暑い」「暑くて喉が渇く」など、不快感を訴える声が飛び出す。

それでも、子どもたちの多くは、なかなかマスクを外さない。マスクを外した子どもは、1割ほどにとどまっていたが・・・

日差しが出て気温が上がっていく中で、授業が進むにつれてマスクを外す子供たちが増えてきた。一緒に運動をする教員も、マスクを外す姿がみられた。   

上村彩子キャスター
「先生も外すことで見本になりますよね?」
  
先生
「子どもたちはよく見ていますから。“今、外してもいい”という合図にもなるかなと思っています。なんか本当に顔の一部みたいな。大きくなるにつれて、マスクをしている方が気楽と感じている子が多いのかなと感じます」
                                   
周りの目が気になるという子どもたちも少なくない。話を聞いてみると・・・

「なんか自分だけ外すのが、ちょっとイヤだ」 
「1人だけ外すと違和感がある。“1人だけ外れ”みたいな感じになる」

千葉県は4月、「十分な距離がとれるならマスクは不要」など、“教育活動の制限緩和”について通知を出した。給食でも黙食や飛沫を防ぐ対策をすれば、机を向かい合わせるスタイルを認めたが、この小学校では“対面給食”には踏み切れなかったという。

柏市立土南部小学校 伊藤雅朗 校長
「マスクの向こう側の顔を、表情を読み取っていくというだけでも大変な中で、熱中症のことも考えなくちゃいけないという意味では、本当に(教員の)負担は大きいと思います」

上村キャスター
「マスクをつける、つけないの指導。どんなところに難しさがあるでしょうか?」

柏市立土南部小学校 伊藤雅朗 校長
「最後の判断は子ども自身であり、外したくないという気持ちがある子には強制はできない。本当に暑くなってきた時に命が守れるかどうか、というところは、とても心配なところです」

■認知発達が2割以上減少? “マスク着用”が乳幼児に与えるリスク

こうした中、大人のマスク着用が、子どもの成長や発達を阻害しているのではないかという指摘もある。

京都大学大学院 明和政子 教授
「脳科学の視点から見ると、最もリスクが考えられ得る子どもたちは、やはり乳幼児。笑ったり、怒ったり、悲しんだり。こうした全体の表情を経験することによって、それを乳幼児が自分でも真似してみることによって、『自分が今楽しいから、相手の人も楽しい気持ちでいるんだな』とか、『自分が悲しい泣いているときに相手も悲しいから悲しいんだな』ということを一つ一つ学んでいく。そうした時期なんですね」

2021年年8月のアメリカのブラウン大学の報告では、コロナ禍以前に生まれた子ども(生後3か月~3歳)の認知発達の平均値を100とした場合、コロナ禍に生まれた子どもの数値は、原因は分からないものの78にとどまったデータもあったという。

こうした現状で、明和教授が重視するのが・・・

京都大学大学院 明和政子 教授
「家庭内保育の重要性が、コロナ禍以前にも増してすごく大きくなってきた。親がこれまで以上に意識してマスクを外して、対面でもコミュニケーションをこれまで以上に意識して豊かに提供してあげる。それがこの時期の赤ちゃんたちの、子どもたちの脳を守ることにつながる」

■「どんな風に世界を見ていくのかな」マスクが“外せない”現場の不安

一方、こうした家庭でのコミュニケーションが難しい現場もある。

膳場貴子キャスターが訪れたのは、静岡市にある乳児院。様々な事情で親などと暮らすことが困難な、0歳から2歳ほどの子どもが24時間生活する施設だ。

子どもの面倒をみる職員たちは、感染対策のため、常にマスク姿。コロナ禍、この施設にいる子どもたちは、マスクをしていない大人と接する機会がほとんどないという。

膳場キャスター
「コロナになる前は大人も一緒に食べていた?」

乳児院の職員
「お家だとお父さんお母さん、家族みんなで食卓を囲んで色々なお話をしながら食べるので、そういうことができるといいねっていう目的を持って、一緒に食べてはいたのですが。今はちょっと難しいので」

膳場キャスター
「食べている見本を見せられな…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220521-6019311)

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